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皇室御一家(御所にて)【写真提供:宮内庁】
皇室御一家(御所にて)【写真提供:宮内庁】

新年に皇室の弥栄祈る=三笠宮さま紀寿、秋篠宮さま50歳に=雅子さま体調上向きに=心強い眞子さま、佳子さまのご活躍

 2015年12月2日、三笠宮さまは晴れやかに100歳を迎えられた。昭和天皇(長兄)のご兄弟の中で存命しているのは、4男である殿下のみ。記録に確かに残る皇室としては初の紀寿というから、これもまためでたい話といえる。
 1945年(昭和20年)8月12日に皇族会議が召集されて、昭和天皇が終戦の決意を語られた折、三笠宮さまは「忠実に実行したい」と語ったという。翌13日に阿南惟幾陸軍大臣が昭和天皇に徹底抗戦に翻心させようと、三笠宮さまに説得を願い出たが、「陸軍は陛下の大御心に反する」と断わり、阿南を叱責したという筋金入りの逸話の持ち主だ(『歴史読本』特集皇族と宮家2014年8月号)。
 三笠宮ご夫妻は、1958年6月には、ブラジル日本移民50周年を祝うために『皇室初来伯』を果たされ、当地とは縁が深い。
 一方、先年10月末から2週間、日伯外交樹立120周年を記念してご夫妻でご来伯され、大役を見事果たされた秋篠宮さま。
 帰国されてすぐの11月30日に50歳の誕生日をお迎えになった。記者会見では〈50という響きは、ちょっと年を取った感じがあります〉との感想をのべられ、同時に〈いただいたものを一つ一つ大切に務めていきたいと思っております〉―との心境をのべられた。ブラジルでの移民や日系人との交流もその「一つ」にされたようだ。
 ジウマ大統領がどたんばで取りやめた先年12月2日の訪日日程では、天皇陛下主催の宮中晩さん会へも出席するはずだった。ブラジルとの絆を深めようとの日本側の想いは、2013年6月のドタキャンに続き、残念ながら今回も空振りに終わってしまった。
 その後のブラジル政界のドタバタぶりをみれば無理もないこととはいえ、日系社会では大統領の無礼な行為に、怒りの声が上がっていたことも事実だ。
 良い話題としては、雅子さまの体調が上向き、ご公務が大幅に増えた点が挙げられよう。先年はトンガ訪問に加え、10月の2度の地方公務、さらに12年ぶりの園遊会に出席されるなど、東宮御所でのご公務も増えた。
 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまが先年12月、初の公式外国訪問先として、南米のお隣り中米を訪れられた。日本との外交関係樹立80周年を迎えたエルサルバドルとホンジュラスだ。
 加えて、次女の佳子さまも2014年12月に20歳を迎えられ、15年4月には国際基督教大学教養学部に入学された。先年7月の第49回全日本高等学校馬術競技大会へ単独でご出席され、初めて公務としてあいさつをされたことも、心強い限りだ。お二人とも皇室の未来を担う「成年皇族」として、ご公務をしっかりと果たされ存在感を発揮された一年だった。
 過去3回もブラジルをご訪問された天皇皇后両陛下。福島民友新聞社の読者が選ぶ「2015県内十大ニュース」では「天皇、皇后両陛下がご来県」が1位となったと先年12月12日に報じられた。東日本大震災および東京電力福島第1原発事故の復興状況視察のために、両陛下は県北を訪れ、県民を勇気づけた。
 日本国民だけでなく、遥か遠くに住む移民や日系人を思ってくれる皇室のお気持ちは、いつも温かく、そして有難いかぎりだ――。

御所にて【写真提供:宮内庁】

御所にて【写真提供:宮内庁】