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年頭のご挨拶=両国の絆と協力関係の深化を=外務大臣 岸田 文雄

岸田外務相

岸田外務相

 2016年の年頭に当たり、ブラジルにお住まいの日系人及び邦人の皆様に謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
 昨年10月に東京で開催された第56回海外日系人大会は成功裏に幕を下ろしました。今次大会においても、世界中から多くの参加者を得て、「戦後70年-日本の歩みと海外日系人」というテーマの下で有意義な議論が交わされました。
 私も皆様をお迎えするためにレセプションを主催しましたが、御参加いただいた大勢の皆様との交流を通して、日系人及び邦人の皆様が戦後の復興期に海外から我が国に対する支援の手を差し伸べてくださったこと、移住されたそれぞれの国で奮闘し、長年にわたる社会への貢献によって信頼を築いてこられたことを私自身が再認識するまたとない機会となりました。この場をお借りして、改めて皆様に対し、深い感謝の念と敬意を表します。
 我が国は、戦後70年にわたり平和国家として国連の取り組みに積極的に貢献してきました。そして今年から2年間、国連加盟国中最多となる11回目の国連安保理非常任理事国を務めます。国連は、加盟国が大幅に増加した現在の国際状況に合わせて安保理を拡大し、改革していくことが急務であり、私も改革の実現に向けて全力で取り組む考えです。この点、ブラジルとはG4の枠組みで協働していきたいと思います。
 また、安保理非常任理事国として、国際協調主義に基づく積極的平和主義を実践し、世界の平和と繁栄のための議論をリードし、日本の考え方を世界に発信していきます。引き続き、皆様方の御理解とお力添えを賜れれば幸いです。
 ブラジルとの関係では、昨年は日ブラジル外交関係樹立120周年という節目を迎えました。この間、両国で多くの記念行事が開催され、また、10月から11月には秋篠宮同妃両殿下がブラジルを訪問され、大きな盛り上がりを見せました。両国間では政治、経済に加え、教育、科学技術、文化やスポーツ等幅広い分野での関係や国際場裏での協力関係が進展しています。今後も友好関係深化のために、日系人の皆様との連携を強化する所存です。
 また、今年はリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。その成功を祈念するとともに、2020年東京大会の成功へとつなげるため、両国の絆と協力関係を一層深めるべく尽力していく所存です。
 最後に、皆様の御多幸と一層の御繁栄を心から祈念しつつ、新年の御挨拶といたします。