12月31日にサンパウロ市中央部で、毎年恒例のミニマラソン、「サンシルヴェストレ」が行われたが、今年も上位を占めたのは男女共にケニアやエチオピアといったアフリカ勢だった。
男子の優勝はスタンリー・ビボット(ケニア)で、約15キロを44分31秒で走った。ケニア人ランナーの優勝はこれで26度目だ。男子は1位と4位がケニア、2位と3位をエチオピアのランナーが占めた。
優勝したビボットには優勝賞金の8万レアルが渡されたが、ビボットは「とても蒸し暑い中、最高の勝利になったよ」と喜んだ。
ビボットは14年のロンドン・マラソンが2時間4分55秒で2位、15年の同マラソンでも2時間6分41秒で4位になったことから、今回のサンシルヴェストレでも優勝候補の筆頭だった。
普通の国なら、これほどの記録の持ち主なら間違いなくオリンピックの代表になれるが、ビボットは「まだわからない」とリオ五輪について語っている。それは、ケニアが世界で群を抜くマラソン王国であるためだ。
ブラジルでの2015年の最速記録は、12年のロンドン五輪で5位に輝いたマリウソン・ゴメス・ドス・サントスの2時間11分だが、ケニアには昨年1年だけで、そのタイムを上回る例が140も存在する。それほどの強豪国にもかかわらず、オリンピックの代表枠は3人しか与えられていない。
なお、ブラジル勢の男子の最高位は5位に入ったジョバンニ・ドス・サントスだ。ジョバンニは「アフリカのランナーたちにあきらめずについていけた」と、自身のレースを自信を持って振り返った。
一方、女子の優勝は54分1秒でゴールしたウデ・アヤレウ・イメル(エチオピア)で、以下、ケニア、タンザニアの選手が続いたが、4位と5位には、スエリ・ペレイラ・シウヴァ、ジョジアネ・ダ・シウヴァ・カルドーゾのブラジル勢が入った。
スエリは、「強敵アフリカ勢になんとかついて行こうと頑張ったけど、うまく行かなかった」と敗戦を悔しがり、「リオ五輪を前に、もっと成長しないと」と今後の抱負を語った。
サンシルヴェストレは基本的にはサンパウロ市民が楽しむための大会で、この年もこの原則は変わらなかった。参加した3万人の市民ランナーの中には、スーパーヒーローのコスプレをした人や、ジウマ大統領への抗議をアピールする人の姿なども見られた。(1日付フォーリャ紙、エスタード紙より)
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