フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)とジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は12月29日、サンパウロ市内のバスと地下鉄、サンパウロ州都電(CPTM)の運賃を1月9日より3・5レから3・8レに値上げすると発表したと12月30日付伯字各紙が報じた。
最後の料金値上げは15年1月で、今回の調整率8・6%はこの期間のインフレ率10・7%を下回る。バスと地下鉄または都電を乗り継ぐインテグラソンの料金も5・45レから5・92レに上昇するが、ビリェッチ・ウニコの月ぎめ、週ぎめの料金は140レ、38レに据え置かれる。
ハダジサンパウロ市長は反発回避のため、サンパウロ州や周辺各市と足並みを揃えた値上げを望んでいる。大サンパウロ市圏の市長らは12年の市長選時から、共通料金構想が掲げている。ハダジ市長は全国的な不況下、かつ再選を目指す選挙のある16年に値上げに踏み切った。市長は値上げを避けたいと考えていたが、学生や高齢者の運賃無料化維持のための費用増大や、サンパウロ市財政の圧迫から値上げを決めた。
学生、高齢者への運賃無料化やビリェッテによる乗り継ぎのため、15年にサンパウロ市がバス会社に支払った助成金は19億レだが、インフレのため、今年は23億レになる見込み。運賃を0・3レ上げる事で5億レの増収が見込まれ、経費増大分を補う事ができる。
グアルーリョス市の市バスは3日より3・8レになっており、ABC地区のバス代値上げは11日からの予定だ。