ミシェル・テメル副大統領(民主運動党・PMDB)の14年の大統領選の献金企業である港湾企業のリブラ・グループ(以下リブラ社)が、13年の新港湾法により、巨額の負債があるにもかかわらずサントス港の契約を更新できた唯一の企業であることが判明したと3、5日付エスタード紙が報じている。
リブラ社は1998年に、他社の10倍の額で入札し、サンパウロ州連邦埠頭公社(Codesp)とサントス港内の高速道路に近い部分、10万平米の運営の契約を結んだ。
このとき、Codespは運輸省傘下にあったが、当時の運輸相は、テメル派で、ジウマ政権時に民間航空庁長官と政局調整役をテメル氏と共に兼務していたエリゼウ・パジーリャ氏だ。
だが、いざ運営をはじめると、当初の約束より狭い部分しか受け取っていないとか、予想外の競合企業が現れたなどと理由をつけ、提示額の支払いを拒否。長年の裁判の結果、リブラ社は国に対し、5億4400万レアル(現在の価値で8億5千万レアル)の負債を負うこととなった。
だが、2013年、連邦政府が発行した暫定令に、現在ラヴァ・ジャット作戦の渦中にあるエドゥアルド・クーニャ下議(現議長)が提出した修正案を加えた形の新港湾法を連邦議会が承認すると、リブラ社の契約は、多額の負債があるにも関わらず更新された。
なお、契約の更新に携わったのは、当時の港湾局長官でテメル派のエジーニョ・アラウージョ氏だった。テメル氏は昨年、ジウマ大統領に不服申し立ての手紙を書いて話題を呼んだが、その中のひとつにエジーニョ氏の更迭があった。
リブラ社は契約更新の翌年の14年、大統領再選をかけたジウマ氏の副として立候補したテメル氏に100万レアルの献金を行っている。
この献金はPMDBの政治家12人の選挙資金となり、5人の下議が選出または再選された。その中のひとりは現港湾局長官のエルデール・バルバーリョ氏の母親でパラー州選出下議のエウシオーネ氏で、10万レアルが回されていた。エウシオーネ氏の夫のジャーデル上議は、連邦検察庁がラヴァ・ジャット作戦で調査を希望している疑惑の政治家の一人だ。
ジャーデル氏は、ペトロブラス(PB)元国際部長のネストル・セルヴェロー被告が報奨付供述の中で、昨年11月にラヴァ・ジャットの捜査妨害で逮捕されたデウシジオ・ド・アマラル上議(労働者党・PT)やレナン・カリェイロス上院議長と共に、PBの事業契約に関する賄賂を受け取ったと言及している。
また、エルデール氏は14年のパラー州知事選に落選後、水産相に就任し、その後、内閣縮小の際、テメル派枠で港湾局長官に就任している。
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