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デング熱=例年より早い時期から増加=保健プランは検査を義務化

 保健省の統計によると、15年1月~12月第1週までのデング熱患者は158万7080人で死者は839人、平年より早い10~11月に増加が始まったと5日付エスタード紙が報じた。
 9月末の統計発表後、10、11月の2カ月間に増えた患者の数は12万3304人で、中西伯では人口10万人当たりの患者数が21人から45人となった。患者増加は全国的な傾向で、南東伯でも人口10万人当たりの患者は10・7人から19・2人に増えた。18・6人が23・8人となった北東伯は、伸び率は少し緩やかだが、罹患率は全国2位だ。
 デング熱の患者が増えるのは、例年なら雨が増える12月から1月の話だが、15年は10~11月から既に患者が増え始めている。通常より早く患者が増え始めた年は01~02年と09~10年だが、早い時期から患者が増え始めた年はデング熱の流行年となっており、要注意だ。15年の死者は839人で、既に過去最高だった13年の674人を超えた。患者数は14年の3倍だ。
 このような状況下、2日からは各保健プランがカバーすべき項目にデング熱やチクングニア熱などへの感染の有無を確認できる血清検査も加えられた。従来は結果が出るまでに1週間かかる検査だけが義務化されていたが、これによりより迅速な診断が可能となる。
 デング熱はネッタイシマカが媒介し、国内ではこの蚊の絶対数も増えているという。ネッタイシマカはチクングニアやジカウイルス(ジカ熱)も媒介するため、蚊の数が増えれば、少なくとも三つの病気の患者が増える可能性が高くなる。
 ネッタイシマカが媒介する病気を予防する最良の手段は蚊の発生を防ぐ事で、全国各地で溜まり水の除去などが進められている。中には蚊の発生源の有無をカードに記録し、発生源ゼロが1年続いた家庭に抽選で現金を贈るというプランを打ち出す自治体も出ている。