ラヴァ・ジャット作戦(LJ)に伴う報奨付供述者のひとりが、元保健相のアレッシャンドレ・パジーリャ氏(労働者党・PT)が、LJの仕掛け人の闇ブローカー、アルベルト・ユセフ被告も関与していた薬品企業「ラボージェン・キミカ」の共同経営者のひとりになるはずだったと発言していたことが明らかとなった。6日付伯字紙が報じている。
ラボージェンは、ペトロブラスに絡む大型汚職発覚で大きくなる前のLJの重要案件で、同作戦初期の14年3~4月のメディアは、もっぱら、同社を巡る汚職の報道だけを流していた。
ユセフ被告は元ペトロブラス供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ容疑者と共に、このラボージェンを通じて保健省を相手に1億5千万レアルという巨額の不正契約を結ぼうとしていた。
その間を取り持ったのは、ユセフ氏が拠点とするパラナ州選出で、当時は下議だったアンドレ・ヴァルガス氏だ。ヴァルガス氏は、ユセフ氏の小型機で旅行したことやユセフ氏との間で交わされた13年9月~14年2月の不正契約に関するメールの記録発覚後、14年4月に下院副議長職を辞任、同年12月には議席も剥奪された。ヴァルガス氏は15年4月に逮捕され、同年9月に実刑判決を受けた。
ヴァルガス氏への疑惑浮上の際、当時の保健相だったパジーリャ氏にも疑惑の声があがっていたが、同氏のサンパウロ州知事選出馬も重なり、大きな話題にはならなかった。
しかし、今回、ユセフ氏の部下で、現金の運び屋もつとめたカルロス・アレッシャンドレ・デ・ソウザ・ロシャ(通称セアラー)被告が連邦検察庁の報奨付供述で、パジーリャ氏が当初、ラボージェンの経営陣のひとりになる予定だったと聞いたと語った。
セアラー被告によると、ラボージェンは四つのパートからなり、その一つをヴァルガス被告とパジーリャ氏が担当、残りをユセフ氏、同社共同経営者のレオナルド・メイレレス被告、コーロル大統領時代(1990~92年)の大臣のひとりのペドロ・パウロ・レオーニ・ラモス氏が担当するという話が出ていたという。だが、保健省との契約で薬品生産との話は、ユセフ氏と同社との関係が取り沙汰され始めたことで立ち消えた。
パジーリャ氏の名前はユセフ被告の報奨付供述でも「会合を行った」という形で出てきたが、同被告は共同経営の話には言及しなかった。
パジーリャ氏は現在、フェルナンド・ハダジサンパウロ市市長(PT)の下でサンパウロ市の保健局長をつとめており、今回の供述の内容を強く否定している。
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