昨年末、日本人旅行者を案内する機会があった。リオやイグアスでなく、せっかくサンパウロ市なのだから〃らしい〃ものを見せたかった。
とはいえ、考えても思いつかなかったので、ただあてもなく歩き、リベルダーデ広場のラジオ体操に始まり、イタリア人が設計した市立劇場とか、アラブ系移民が多いので「アビビス(ハビービス)」というファーストチェーン店があるとか、数ミリ程の底浅い知識を披露した。
よく「サンパウロ市は観光地ではない」と聞く。でも、案内しがら「果たしてそうか」と考え込んだ。案内する機会に改めて見ながら、「こんな一面もあったのか」とむしろ自分の方が新鮮だった。
サンパウロ市は、確かに〃分かりやすい景勝地〃ではないが、実は世界の移民史が重層的に交差する「上級者向け歴史観光地」ではないかと思い至った。皆さんはどう思いますか? (桃)
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