連邦政府は、ジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免に賛成する下院議員に関係する職員の徹底調査を行うなど、大統領罷免阻止の対策を練っていると、11日付エスタード紙が報じている。
ジウマ大統領は現在、建前上は18の政党から支持を受けていることになっているが、現時点で下院でのジウマ大統領罷免審議の開始に反対している下議は、513人中250人に過ぎない。
この数は、下院で罷免案を却下するには十分な数ではある。だが、連立与党の中にも、罷免審議を進めようとしているエドゥアルド・クーニャ下院議長が所属する民主運動党(PMDB)のように、大型の党でかつ罷免に賛成する議員が少なからずいる政党もある。
たとえば、ブラジル観光公社のヴィニシウス・ルメルツ総裁はテメル副大統領支持派の枠内で採用されたことになっているが、指名を行ったのはPMDBサンタカタリーナ州支部長のマウロ・マリアーニ下議だ。同氏は昨年10月、地元紙の取材に、ジウマ大統領の罷免は「避けられない」と応えていた。
連邦政府は現在、大臣や局部長、公社総裁などの政府の要職に就いている人物2万2千人について、実際に推薦した下議をつきとめようとしている。対象の役職者に最も影響力を持つ議員を特定する作業は、PMDBのみならず、連立与党全ての議員に関して行う意向だ。この作業はルーラ政権以降(2003年~)だけでなく、カルドーゾ政権(95~02年)やイタマル・フランコ政権(91~94年)位までさかのぼる必要もあるため、容易ではない。
目的は、要職者の真の後見人が誰かということを政府側が完全に把握することで、罷免賛成下議にプレッシャーをかけることだという。
また、同紙によると、連邦政府は、ジャッケス・ヴァギネル官房長官にラヴァ・ジャットの疑惑がかけられはじめたのを受け、早急に景気刺激製策を成立させて、批判の矛先を変えたいとしている。
政府としてはさらに、連邦最高裁判事で高等選挙裁判所(TSE)長官を兼務するディアス・トフォリ氏の動向に注目している。同氏はかつてPTの顧問弁護士で親PT派だったが、TSE副長官で反PT派のジウマール・メンデス氏との接近で、PTや政府との関係があやうくなっている。
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