決して潤沢ではない予算だが、地元の企業家の支援を受け、ブラジルサッカー界のビッグチームを向こうに回し、無名に近い選手達が奮闘を続ける小さな町の小さなチームの一つに、サンタカタリーナ州シャペコー市に本拠を置くシャペコエンセがある。
シャペコエンセは地元の食肉生産会社がメインスポンサーにつき、小規模クラブなりの成功モデルとなっている。
今年の年間予算は4500万レアル。リオの人気チーム、フラメンゴは4億レアルだから、そのおよそ9分の1だ。それでもシャペコエンセは13年の2部リーグで2位になり、14年に1部昇格。以来、3年連続での1部残留を狙っている。
「秘密などない、継続的に真摯に仕事に取り組むのみだ。選手のサラリーを遅らせたり、自治体、関係企業の支払いを踏む倒すなんて、もってのほか。将来、全てのブラジルのチームはうちと同じ経営方法をとらざるを得なくなる。目先の利益を求めて放漫経営など許されない」と、チームのメインスポンサーでもあるアウローラ社副社長のネイヴォール・カントン氏は語る。
予算規模は小さいが、チームは昨年、1部残留を果たし、初の国際大会コパ・スル・アメリカーナにも出場、アルゼンチンの強豪リーベル・プレートをあと一歩のところまで追い詰めるなど、結果を残し、87万7千レアルの黒字を出した。
全選手の平均給与は月額3万レアル、最も高額な選手でも10万レアル(年棒約3千600万円相当)だ。これはフルミネンセの元ブラジル代表選手、フレッジの8分の1にあたる。
08年に地元企業がチームへの出資を決め、同社の経営方法をチームにも当てはめて以来、09年に3部、12年に2部、13年に1部へと、チームの成績は一気に上昇した。
「俺はいつだって前向きな性格だが、まさかここまで来られるとは思っても見なかった」と語るのは、08年に人口20万人ほどの小都市クラブに移籍して以来、クラブの上昇を体験してきたMFのネネン(33)だ。
今年の目標は全国1部残留と、5度目のサンタカタリーナ州選手権制覇だ。
だが、こういった大きな目標を掲げているにも関わらず、首脳陣が緊縮経営の方針を変えることは無い。昨年末、クラブの内規を変更し、選手獲得や増資の申し込みは合議制で決めることになった。会長の権限を弱めたのは、いずれ名誉欲に駆られた1人の会長が現れても、強権をふるって無理な選手獲得などをできなくするためだ。(10日付フォーリャ紙より)
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