ラヴァ・ジャット作戦の重要被告であるペトロブラス(PB)元国際部長のネストル・セルヴェロー被告の報奨付証言の内容が12日付伯字紙で明らかにされ、ルーラ前大統領(労働者党・PT)との関係や、PB内での汚職はカルドーゾ元大統領(民主社会党・PSDB)時代にもあったことを示す供述も行っていたことが判明した。
セルヴェロー被告の報奨付供述が関係者から恐れられていたことは、PB時代、同被告の元上司で、昨年11月に捜査妨害で現行犯逮捕されたデウシジオ・アマラル上院議員(PT)が同被告の家族に金を渡し、口止めさせようとしていたことでも明らかだ。
フォーリャ紙は、セルヴェロー被告が、2008年のPB国際部長からBRディストリブイドーラ財務理事への転任は、PTがシャヒン銀行から1200万レアルの貸付を受けられるよう尽力した功績を評価したルーラ氏が報酬として与えたものと語っていた、と報じている。
シャヒン銀行は2004年、ルーラ氏の親友とされる牧畜企業家のジョゼ・カルロス・ブンライ氏の名前でPTに1200万レアルの貸付を行った。そのうち半額は、サンパウロ州サントアンドレの公共交通機関とゴミの回収会社所有者で、同市のセウソ・ダニエル元市長(PT)が2001年に謎の死を遂げた件で、秘密をばらすとルーラ氏らをゆすっていたとされるロナン・マリア・ピント氏に渡ったとされている。
この後、セルヴェロー被告がまだ国際部長のとき、シャヒン社は、石油掘削船ヴィットーリア10000に関し、PBと16億米ドルの契約を結ぶのに成功している。これもPTへの貸付への報酬と見られている。
またフォーリャ紙は、セルヴェロー被告が同じく供述の中で、92年に罷免を受けたが、06年の上議選挙で議員に返り咲いたフェルナンド・コーロル元大統領にBRディストリブイドーラ社の人事権などの権限を与えたのはルーラ氏で、それはジウマ大統領にも引き継がれたという。同被告は、コーロル氏が「ジウマ氏から人事の権限を委任されている」と語るのを聞いたという。
一方、エスタード紙によると、セルヴェロー被告は、ルーラ政権の前のカルドーゾ政権時代にPBがアルゼンチンの企業ペレス・コンパンク社を買収した際、1億米ドルの賄賂が動いたと語っている。同被告がこの疑惑に関与したオペレーターとして名前を挙げた「オスカー・ヴィセンテ」なる人物は、当時のアルゼンチンのカルロス・メネム大統領(1989~99年)と関係が深い闇ブローカーで、後に亜国のペトロブラスの最高経営責任者も務めている。
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