サンパウロ州市警の麻薬捜査課(Denarc)は、サンパウロ市中央部のCPTMジュリオ・プレステス駅前から同名の広場、エルベチア街などに拡がる麻薬汚染地帯、通称〃クラコランジア〃をなくすには少なくとも2年はかかるとの見方を示したと、12日付フォーリャ(F)紙が報じた。
15年1月にDenarc課長に就任したフェラス・フォンテス氏は、クラコランジアが数十年間も中毒者と密売人達の取引の場として使われてきた事と、州都第一コマンド(PCC)が強い影響力を持っている事が早期解決のための障害になっていると語った。
フォンテス氏は「何年にも渡って築かれたものは、そう簡単には消せない。もっとも厄介なことは、PCCが内部深くまで影響力を保っている事」と語り、「クラコランジアには少なくとも40の密売組織が巣食っており、一つが捕まってもあっという間に穴埋めされる」と続けた。
クラコランジアは過去20年にわたり、サンパウロ市役所、サンパウロ州政府による浄化作戦の標的とされてきたが、多くの場合、それは徒労に終わった。同地域は依然、密売人や中毒者が白昼堂々たむろし続けている。
15年1月にフォンテス氏が課長に就任して以降1年で、Denarcは23トンもの大麻を押収。これは14年の押収量の3・6倍に当たり、内103キロがクラコランジアに送られるはずだった。クラコランジアで行われた浄化作戦は33回で、三つの大組織を解体、56人を逮捕し、2人の未成年も拘束した。「薬物犯罪がある限り、絶対に諦めない」と同課長は語る。
以下フォンテス(フ)氏がF紙のインタビューに答えた。
F「Denarc再編について―」
フ「200人体制の捜査官のうち100人を入れ替えた。麻薬捜査のみにかかりきりになって心身を消耗するのは良くない。また警官と麻薬密売組織が癒着しているのではないかとのイメージも払拭していく」
F「捜査体制について―」
フ「密売人の情報は盗聴等でつかんでいるが、司法当局は一度に大量の逮捕状を出す体制にない。本当は40人位を一気に掃討した後、市が準備した警官隊等を入れて後続の密売者が立ち入れないようにしたいのだが」