スイス、チューリッヒで11日、国際サッカー連盟(FIFA)によるFIFAアワードが行われた。ネイマールの最優秀選手賞〃バロンドール〃受賞はならなかったが、ブラジル全国選手権2部チーム所属、無名のウェンデル・リラがベストゴール賞の〃プスカシュ賞〃に輝いたと12日付伯字各紙が報じた。
ウェンデル・リラは昨年3月、ゴイアニア州選手権で豪快なオーバーヘッドキックでのゴールを決め、昨年11月にプスカシュ賞に最終ノミネートされていた。
ノミネート当時の同選手は所属チームを解雇され、無所属だった。ノミネートの反響か、その後新チームと契約、ゴールした時とは違うチームの所属選手として表彰式に参加していた。
薄給、さらには無職の無名選手のシンデレラストーリーは、ノミネート時からブラジルで話題になっていた。
最終選考の3人には年間最優秀選手賞を受賞したアルゼンチンのメッシもおり、彼のゴールを抑えての受賞に、世界のメディアも〃2部リーグの無名選手、メッシを破る〃と半ば扇動的に見出しを飾った。
しかし、本人は喧騒に浮ついた様子も見せず、受賞スピーチで「神のご加護、支えてくれた家族、ブラジル民に感謝する。普段はTVゲームでしか知らないスター選手と同じ場所に立てて光栄に思う」と語ると、会場に居たカカー等の有名選手も真剣に聞きいっていた。
同時に発表された年間ベストイレブンに、ブラジルからは、ネイマール、マルセロ、チアゴ・シウヴァ、ダニエウ・アウヴェスが選出されたが、ネイマール以外の3人はセレソン監督のドゥンガから重用されていないという皮肉な結果だった。