15年に景気後退(リセッション)に陥ったブラジルでは、就労希望者増もあって失業率が上昇。それを受け、解雇された労働者が再就職するまでの期間が伸びていると10日付エスタード紙や13日付G1サイトが報じた。15年1月と11月では、7カ月以上職がない人が24・1%から33・8%に増えている。
詳細を見ると、30日以内に再就職した人は29・6%から20・2%に、31日以上、6カ月以内に職を見つけた人も46・4%から46%に減ったが、失業期間が7~11カ月の人は7・3%から14・2%、1年以上、2年未満の人は10・5%から12・2%、2年以上の人は6・3%から7・4%に増えている。
これは過去10年間で最悪の状態で、昨年までは企業の方が知識や技術を持つ労働者を探していたが、現在は学歴などは関係なく失業期間が伸びており、今年は更に悪化すると見られている。
雇用状況の悪化は経済指数の悪化の中でも最も遅れて表面化するが、労働市場の状況悪化の兆しは、失業率が過去最低の4・8%だった2014年からあった。この年はラヴァ・ジャット作戦や景気後退で雇用が減り始めており、15年初頭には建設業界の集団解雇などが顕著となった。
リオ連邦大学のジョアン・サボイア教授は、雇用状況の急速な悪化に対する驚きを隠しきれないまま、雇用状況は、10年かけて徐々に回復との見方を示している。
15年1~11月の雇用総数は94万5363人減、11月までの12カ月間の累計では152万7463人が職を失っている。失業率上昇や所得低下、非正規労働者増加といった傾向はまだ続き、昨年は工業界中心に広がった解雇や集団休暇の波が今年は商業界に及び、上半期の終わりからは経済状態も更に悪化との声も聞こえている。
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