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ミスと汚職で苦しむPB

 原油の国際価格が1バレル30ドルまで落ち込んだ事と、15~19年の投資の320億ドル削減を受け、ペトロブラス(PB)の株価が9%下落、04年以来の低価格となった▼PBは14年からのラヴァ・ジャット作戦による汚職摘発やその後の事業停滞などで、石油関連の企業では世界一の負債を抱えている。そこに追い討ちをかけているのが原油の国際価格低下だ▼一昨年は1バレル100ドル、昨年初頭は47ドル、13日は30ドルを割ったのに、PBは今年、1バレル55ドルで収支を予想。12日の投資削減も1バレル45ドルで算定して決めており、多くの投資家を不安に陥れた▼「原油の国際価格値下がり」=「国内の燃料価格低下」ではないのも、一般庶民には頭が痛い。これは、原油の国際価格が高かった時も、インフレ昂進を嫌って燃料価格据え置きを強要した現政権の責任だ。政府が燃料価格を無理に抑えた事で、PBは600億ドルの損失を被り、今もその影響を引き摺っている▼原油価格が下がり、採算がとれなくなれば、生産を控える企業が出て需給バランスが崩れ、価格は再び上昇する。だが、PBは無理な燃料価格抑制やラヴァ・ジャットの影響で、増産や油田開発などに向ける投資さえ、充分にさけない。昨年、燃料価格を値上げした時は、PBが政府の言いなりではない事を証明できたとの総裁発言があったが、現在の燃料価格は国際価格より既に14%も高い▼行政上のミスと予測ミスに汚職の後遺症が重なり、ラ米一を誇ったPBも満身創痍。PBが投資を10億レ削れば国内総生産は20億レ減るとされ、景気回復が遅れるとの予感も更に強まった。(み)