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上空から見たダム決壊事故直後の被災地(Corpo de Bombeiros/MG - 05/11/2015)
上空から見たダム決壊事故直後の被災地(Corpo de Bombeiros/MG - 05/11/2015)

サマルコやVale関係者=ダム決壊事故で連警が告発

 ミナス州(MG)連邦警察が13日、11月5日に起きた同州マリアナ市のサマルコ社鉱滓ダム決壊事故に関し、サマルコ社とVale、Vogbr並びにサマルコ社のリカルド・ヴィスコヴィ社長ら7人を環境汚染などの罪で告発したと14日付伯字紙が報じた。
 サマルコ社はValeとBHPが共同出資しており、同社鉱山には決壊したフンドンの他に、サンタレン、ジェルマノの二つの鉱滓ダムがある。
 フンドン・ダムの決壊による死者は17人、行方不明者は2人(フォーリャ紙は死者19人と記載)で、ベント・ロドリゴ地区はほぼ全壊、バーラ・ロンガ地区も甚大な被害を受けた。

汚泥で破壊されたベント・ロドリゲス地区(Rogério Alves/TV Senado - 19/11/2015)

汚泥で破壊されたベント・ロドリゲス地区(Rogério Alves/TV Senado – 19/11/2015)

 ダムから流出した鉱滓は、マリアナ市に程近い支流を経てドッセ川に流入し、ミナス州からエスピリトサント州(ES)に至る流域で魚の大量死や水中植物の破滅、飲用水や工業用水取水が不可能となる、ES沖からバイア州沖に至る海洋汚染などの被害ももたらしている。
 ダム決壊の原因はまだ調査中だが、連警は今回、サマルコ社とVale社、ここ数年間ダムの安全性の調査を行っていたVogbr、サマルコ社の社長や企画担当者、地勢分析や作業の責任者らを、環境汚染や環境破壊という面での責任を問う形で告発した。
 サマルコ社は既に、MG環境局や国立再生可能天然資源・環境院から、1億1200万レと2億5千万レの罰金を言い渡されている他、国とMG、ESとも合意し、ドッセ川回復のために200億レの基金を設ける事にもなっている。
 サマルコ社の従業員約3千人は11日に現場に戻り、4月25日までの給与支払いなどを保障されたが、鉱山は事故後、実質的な操業停止が続いている。
 サマルコ社の鉱滓ダム決壊はブラジルでは最大規模となる環境破壊を生じさせた上、MG、ES両州の国内総生産の大幅減少なども招いている。