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広大な国土が仇に=心臓移植患者に臓器届けられず亡くなる

 重篤な心臓病でブラジリアに入院し、移植手術を待っていた12歳の少年が、適合する心臓が見つかったのに、輸送用の飛行機の不足で心臓を受け取れず、15日に亡くなった。
 国立移植センターは、1月1日に同君に移植可能な心臓をミナス州で見つけたが、ブラジル空軍(FAB)はブラジリアに搬送するための航空機に空きがないとしていた。
 移植用の心臓が見つかったのはイタジャバー市で、一番近くで空港のあるポウゾ・アレグレ市までは車で40分の距離だった。
 連絡を受けたFABは同日、イタジャバーから陸路でポウゾ・アレグレ、ポウゾ・アレグレから空路でブラジリアの輸送を、オペレーション上の理由で不可能だと返答した。
 少年は連邦直轄区の心臓病理学研究院に入院していたが、家族は少年の詳しい病歴の公開を拒んだ。
 保健省の広報官は、移植失敗の危険を回避する意味で、移植用の心臓の摘出から移植までは4時間以内に行わなければならないとした上で、「摘出から移植までを短時間で行わなくてはならないため、今回のように臓器提供者が内陸部にいた場合は、臓器搬送の問題で移植が困難になりうる」と語った。
 保健省は文書で、臓器移植のため、FABの協力や民間航空会社による無料輸送の申し出があることを強調した。
 FABも、移植の件数を増やすため、2013年以降、保健省と臓器や輸送を優先して行う合意があることを承知している。(18日付エスタード紙より)