【既報関連】サンパウロ州サントス港のグアルジャー市側貨物集積場で14日午後3時過ぎ、化学物質が入っていたコンテナに雨水が浸み込んで化学反応が起き、火災と共に有毒な煙が大量発生する事故が起きたが、火は37時間後の16日未明に消し止められたと18日付G1サイトが報じた。
集積所にあったコンテナ85個の内、燃えたのは25個で、煙を吸ったりして不調を訴え、病院に運ばれた人は、グアルジャー市が107人、サントス市が49人、クバトン市が18人だった。
この事件は現場住民の日常生活に大きな影響を及ぼし、サンパウロ州検察局は調査委員会を発足させた。
現場は海に近く、有害物質が海に流出した危険もあるため、環境浄化公社(Cetesb)の技術者はボートで海域の水質チェックを行ったが、現時点では海洋生物の大量死といった現象は発生していない。同公社はさらに、現場周辺の空中の微粒子の量と、雨に酸が混じっていないかも検査する意向だ。
事故の因果関係をさらに詳しく調査するため、サンパウロ州検察局は、貨物集積所の責任者であるロカルフリオ社に非常事態発生時の行動計画を提出するよう求めた。また、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)とサンパウロ州環境局にも、同社に対する現場での操業許可証の提出も要求した。
現場周辺では煙と強い臭気が立ちこめ、グアルジャー市当局が周辺住民に、一旦住居から退去し、家族や友人の家に身を寄せるよう指示を出したが、強制力を持つ退去命令ではなかった。
現地では多くの住民がマスクをするか、口元に布をあてて行き交う姿が見られた。グアルジャー市は火災翌日が市の守護聖人の日で休日だったため、多くの商店は閉まり、わずかに開いた薬局のマスクもすぐに売り切れた。また住民からは行政側からの情報が不足しているとの不満の声も聞かれた。
地元消防局は出火直後よりサンパウロ市やサントス平野の軍警102人の援護も得て、終日消火と隣接コンテナの隔離作業にあたった結果、火は発生から37時間後の16日午前4時半頃に鎮火した。