保健省が15日、チクングニア熱で3人の死者が出、ここ3カ月間の患者数は倍増と発表した。ネッタイシマカが媒介する熱病患者増加は一般的な傾向で、デング熱では2015年の患者が164万9008人に及び、863人の死者が出た。ジカ熱患者も50万人程度いたのではないかと16日付伯字紙が報じた。
チクングニア熱は2014年に国内初の症例が確認された。死者が出たのはバイア州2人、セルジッペ州1人で死者確認は初めてだ。死者は皆、85、83、75歳と高齢で慢性病患者だった。
昨年10~12月に確認されたチクングニア熱罹患者は2万661人で、7~9月の1万2691人から倍増。患者が出た州は4から10(連邦直轄区を含む)、市は36から83に増えた。15年の患者数は14年の3倍に増えた。
チクングニア熱とデング熱、小頭症で騒がれているジカ熱は皆、ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介する。症状は発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛などで、デング熱やチクングニア熱は発疹を見る例も多い。潜伏期間はいずれも2~14日で、症状が軽くて感染に気づかない例も約8割いるという。チクングニア熱では発熱を見ずに関節痛を訴える例や眩しがる羞明を伴う例もあり、チクングニア熱とジカ熱の致死率はデング熱より低い。
チクングニア熱患者やデング熱患者の増加は蚊の発生源が増えている証拠で、デング熱患者も前年のほぼ3倍に達した。
保健省は、昨年のジカ熱感染者は50万人に達していた可能性を示唆した上、2月には全国の医療機関に20分でジカ熱感染を確認できるキットを配布すると発表した。サンパウロ市では18日、20分でデング熱などを判定できるキットの保健所への配布を開始した。
18日付フォーリャ紙などは、昨年5月にブラジルにいた米国人がハワイ州で小頭症児を出産した事も報じた。ハワイ州はデング熱が流行中で、州民の懸念は広がる一方だ。米国は15日、妊婦や妊娠希望者はブラジルを含むラ米、カリブ諸国14カ国への旅行を避けるよう勧める文書を出している。