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大耳小耳

 『椰子樹』367号が12月に発刊された。梅崎嘉明・小池みさ子選から北海道の郷里でクラス会に出た感想「おとなしき友の一人がいま社長重なりあわぬあの頃の顔」(外山安津子)、「此の日頃吾より若き人等逝き無常の思いに耐えて弔う」(古山孝子)、「青空にくっきり登る十五夜の庭の明るさ告げる人なし」(島田喜久枝)、「サビア鳴く朝な朝なの寝覚めあり心して過ごさん残生の日々」(寺田雪恵)、神林義明さんの亡き兄に捧げる連作「移住前最後の夜は母も来て雑魚寝もせまし兄のアパート」「退職後趣味のひとつと石刻む仲間は五人寺の境内」「子をなさぬ兄逝きて後義姉ひとり故郷近くの養老院に」「兄掘りし石仏五つ汝の墓を守るがごとく鎮もりて立つ」など。