ジウマ大統領の罷免の勢いがなくなってきたことを受け、民主運動党(PMDB)幹部らが、連立与党からの離脱を先延ばしにする可能性が強まっていると、19日付伯字紙が報じている。
PMDBの党大会は昨年11月にも行われ、その際も、同党内の反ジウマ派から、連立与党離脱の話が上がっていた。ジウマ大統領罷免の審議を進めようとしているエドゥアルド・クーニャ下院議長が、連立解消を熱心に推奨していることはよく知られている。
だが、その際に、その件に関する結論を出すのは、連邦政府のもろもろの経済指標などが出揃う16年3月の方が適当ではないか、ということになっていた。
だが、同党幹部らの間では、3月に行われる党大会は次の党首を誰にするかの議論に終始することになるだろうとの見方が強まっている。それは、ジウマ大統領罷免への勢いが殺がれてきている、との印象が強まっているためだ。
ミシェル・テメル副大統領は、12月に下院で野党側が提案し承認を受けた、大統領罷免の特別委員会のシャッパが最高裁によって却下された時点で、罷免の動きは鎮静化したと解釈しているという。
テメル氏は、レナン・カリェイロス上院議長のグループに党首の座を奪われるのを恐れ、党首選に集中したい意向だ。同氏は側近や関係者たちに働きかけ、党首再選のための支持取り付けを行わせている。
一方、ジウマ大統領は、ルーラ前大統領の口添えもあり、19日にもテメル副大統領と再接近のための話し合いを持つ予定だ。大統領としては、今のうちにPMDB内の大統領罷免支持派の勢力を弱体化させ、同党の連立与党残留を確定づけたいところだ。
その一方、14年の大統領選3位で、18年の同選挙に再出馬の可能性もあるマリーナ・シウヴァ氏(持続ネットワーク・Rede)は17日、PMDBに関し、「大統領が罷免されてテメル氏が昇格したら、これで問題が解決したとばかりに、(PMDBの大物の多くに疑惑が持たれている)ラヴァ・ジャット作戦の捜査を打ち切る可能性が出てくるのではないか」と発言した。
マリーナ氏はかねてから、現在、選挙高等裁判所で扱っている14年大統領選でのジウマ陣営の選挙違反で、ジウマ氏とテメル氏が共に当選無効となり、失職することを支持している。
これに対しテメル氏は「大統領選に2度も出馬した方なのに、なんという無理解な発言を。大統領には司法府や立法府の機能を止める権力はないのに」と反論している。
タグ:マリーナ・シウヴァ PMDB ルーラ 写真ニュース ジウマ大統領 ラヴァ・ジャット