サンパウロ州保健局が18日に発表した統計によると、州内645市中、1割強の67市でデング熱が流行状態である事が判ったと20日付エスタード紙が報じた。
平年のデング熱のピークは4月だが、保健局が今季初のデータとして発表したのは15年10~12月の統計だ。それによると、今季は既に人口10万人当たりのデング熱患者が300人を超えた市が67あり、今年の患者数は、前年のほぼ3倍で史上最悪とされた15年の64万9562人(死者454人)を上回る可能性が高い。15年に流行状態となった市は481で、142だった14年の3倍を超えた。
10~12月は、人口10万人当たり4283人のヴィトリア・ブラジルなど、10万人当たりの罹患者が2千人以上の市が3市、900人~1999人の市も3市あった。流行状態の67市には、リベイロン・プレット、サンジョゼ・ドス・カンポス、リオ・プレット、プレジデンテ・プルデンテ、イーリャベーラなども含まれる。
人口10万人当たりの罹患者460人のリベイロン・プレットでは、真性患者が10月60人、11月300人、12月800人と急増中で、1月も18日現在で4千人いる。この数は検査結果次第で増える見込みだ。同市ではジカ熱が疑われる患者も72人おり、4人は感染が確認された。チクングニア熱感染者も2人おり、同市は緊急事態を宣言した。
一方、ジカ熱に関しては、汎米保健機構が20日、米州大陸内でのジカ熱は、15年のブラジルでの感染確認後、急速に広がり、現在はラ米・カリブ地区全体に及んだとの見解を表明。19日にはボリビアで同国初の二次感染者が確認された。世界保健機構も19日、各国にジカ熱への警戒を呼びかけ、同病患者や小頭症児に関するデータを逐次報告するよう要請した。