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ウニベルサルのエジル・マセド司教(Roberto Stuckert Filho/PR)
ウニベルサルのエジル・マセド司教(Roberto Stuckert Filho/PR)

映画版「十戒」が前売り200万枚記録=その影にウニベルサル教会あり

 昨年、ブラジル国内で大ヒットを記録したノヴェーラ「オス・デース・マンダメントス(十戒)」の映画版が今月28日より公開されるが、前売りチケットの時点で200万枚が売れるという、前代未聞の事態となっている。
 この「十戒」は、1950年代のハリウッド映画でも有名な旧約聖書の「十戒」のブラジル版リメイクで、ノヴェーラ版は2015年にレコルデ局で放送されていた。ブラジルの場合、国民の大多数がシェア1位のグローボ局を見るが、3番手に過ぎないこの局で放送された「十戒」は、国内で40年近くにわたり国内最大視聴率を取り続けてきたグローボ局の夜9時台のノヴェーラの視聴率を抜き去り、完勝するという、ブラジルTV史上異例の事態まで引き起こした。
 それもあり、この映画版はかねてから期待値が高かったが、1月5日から発売開始となった映画の前売りチケットは、20日の時点で200万枚以上を売り切っている。
 この200万枚という数字がいかにすごいかということは、現在、公開中で、全世界での歴代興行成績を塗り替えたと話題のスター・ウォーズ・シリーズの「フォースの覚醒」のブラジルでの前売売り上げが30万枚だったことを見れば明らかだろう。
 ただ、この爆発的な売り上げをバックアップしているのが、ブラジルの宗教界であることは見逃せない。テレビ版「十戒」の放送元であるレコルデ局の会長をつとめているのはウニベルサル教会のエジル・マセド司教で、報道されているところによると、ウニベルサルの教会ではテレビ・モニターで映画版「十戒」の予告編を流し、信者に映画を見に行くことを強く勧めているという。
 さらに、「貧しくて見にいけない信者のために」と称して、信者から献金を募り、その金で、できるだけ公開日に近い日の入場券を教会でまとめ買いしているという。
 ペルナンブッコ州レシフェ市では、1人で2万2700枚の入場券を買った人がいたが、これもウニベルサル関係者と見られている。
 同映画は、2010年に「エリート・スクアッド2」が作った歴代興行記録を塗り替えることを有力視されている。(19日付オジア・サイト、20日付Veja誌サイトより)