ホーム | 日系社会ニュース | 日本館=初文化展示会2月29日まで=由来記す「棟札」特別展示
昨年末の改修時に中島工務店が発見した棟札と伊藤さん
昨年末の改修時に中島工務店が発見した棟札と伊藤さん

日本館=初文化展示会2月29日まで=由来記す「棟札」特別展示

 ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)がサンパウロ市イビラプエラ公園内の日本館で20日午後6時から、『日本文化展示会』のイナグラソンを行った。自動車メーカー大手の日産から支援を受け、入り口右手には日産の乗用車「セントラ」の最新モデルを展示。日産役員、文協役員、日系団体の代表者など約200人が参加した。
 日本館入り口には70鉢を超える盆栽が並べられ、樹齢60年以上の作品も数点置かれた。今回は美術品展示室の常設展示品に加え、特別に60点の工芸品が陳列されている。和室や階段の上がり口には生花を配置。参加者たちはカメラを片手にじっくり作品を鑑賞した。
 呉屋会長は「日本文化普及に支援してくれたブラジル日産自動車と、日本館の保存維持に携わった日本の中島工務店に感謝します」と謝辞を述べた。サンパウロ市市長代理、中前隆博在聖総領事らが挨拶し、ブラジル日産のドッサ・フランソイズ代表取締役は「サンパウロ市の誕生日を迎えるタイミングで、文協とともに日本文化を紹介できることを光栄に思う」と意義を述べた。
 シェン響盟さんの尺八と北原民江さんの琴が共演で、正月の定番曲である「春の海」などを演奏。カクテルパーティーでは筑前煮や散らし寿司が振舞われた。
 また先日完了した岐阜県中津川市の中島工務店による修復工事では、日本館が建設された1954年当時の「棟札」が天井の一角から発見されていた。完工時に記す慣わしのもので、工事関係者名や建設由来が木板に墨痕鮮やかに書かれている貴重なもの。同館運営副委員長の伊藤誠施さんは、「歴史的な価値のあるもの。建物のお守りの意味もあるので、後で天井に戻しますが、この展示会期間中は来館者が見られるようにします」と話した。
 同展示会は日本文化の継承と普及促進を目的としたもの。期間は2月28日まで。開館時間は通常通り午前10時~昼12時と午後1~5時で、入場料は一般10レアル(小児、高齢者は半額)。最寄りゲートは10番。問い合わせは文協(11・3208・1755)まで。


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 サンパウロ市イビラプエラ公園内の日本館で開催中の『日本文化展示会』。主な出し物は工芸品・生花・盆栽で、入り口から立派な盆栽の鉢が並べられており、樹齢50年以上のものは威厳すら感じさせる。中には購入できるものも。比較的小さな木ばかりで、2年ものが50レアル~8年ものの180レまで。特に2年ものは片手で持てる大きさで、鉢自体も小ぶりで可愛らしいサイズだ。植物が好きな人は日本館に立ち寄って、ブラジル産の盆栽をお土産にしてはいかが。