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ジャパンハウスでAKB48ブラジル版を作ったら?

09年のYOSAKOIソーラン大会の様子。こんなショーを見ながら日本食を食べるレストアラン・シアターもいいのでは

09年のYOSAKOIソーラン大会の様子。こんなショーを見ながら日本食を食べるレストアラン・シアターもいいのでは

 外務省が腕まくりで進めている「ジャパンハウス」(以下JH)は、日系社会の将来を占う上でも重要な施設だ。外務省と日系社会がうまくかみ合った形に出来るかどうかで、日本移民150周年を盛大に祝えるかどうか―にも大きく関わる▼遅まきながらアイデアをいくつか挙げたい。今まで関心がなかった人を取り込む「裾野を広げる」部分が重要だ。加えて、すでに関心がある人に深みのある情報を提供する「奥行き」部分。これらが両輪となって親日派が増えて行く▼「裾野」は低い方が良い。一般のブラジル人若者向けには「耳で聞く、目で見る」方法が重要だ。「今の日本はこうだ!」という面白おかしく論じるポ語解説番組をネットラジオとか、ユーチューブ映像などで配信するサイトがあると一番いい。司会者の個性や番組の内容次第で普及の可能性は高い▼「奥行き」に関して、ある程度、日本の情報を知っているインテリ向きには「読む」方法が良い。ネット上に日本ニュースをポ語で伝えるサイトを作ったり、大人向きの現代日本を伝える読み応えのある本や雑誌などの印刷物が適当だ。このような「広報」への支援こそ、JHや国際交流基金に切に期待される。弊紙のような媒体やネット関連の日系有志との連携が重要だ▼とはいえ「箱もの」JHにしかできない最重要なアイデアは「レストラン・シアター」だ。リオに「プラッタフォルマ1」というサンバショーを見せる飲食施設があったが、その日本文化版だ。日本芸能を見ながら日本食を堪能する娯楽飲食施設だ▼例えば日本舞踊の花柳流や藤間流など色々あるし、若手なら「優美」、翌月は津軽三味線、次は現代音楽と融合した海藤三味線教室、全伯太鼓大会の優秀チームの演奏、琉球舞踊や民謡、琉球国祭り太鼓、YOSAKOIソーラン、丹下セツ子さんの剣劇、カラオケ有名人によるショー、グルッポ・サンセイのカラオケ劇、最後は沖縄系の演目ならエイサー、それ以外は盆踊りからマツリダンスで盛り上がって締めるとか。日系社会との連携が不可欠だ。もちろん日本から大物音楽家や舞踊家を呼んでもらい、競演する機会を作りたい▼〃カワイイ大使〃松田明美さんのロリータファッションお茶会の会場にも使ってもらい、「ブラジルの秋葉原」的なイメージを付けられれば若者を引き寄せられる▼AKB48ブラジル版を組織して、日本育ちの帰伯子女に参加を呼びかけ、日系半分、非日系半分で踊って歌ってもらい、本拠地として「レストラン・シアター」が使われれば知名度は一気に上がる。静岡や愛知、群馬育ちの帰伯子女が参加すれば日本側でも話題になりやすいし、ブラジル側でもコスプレ好きな若者に参加してもらってアニメファンの話題になれば人気を呼ぶ▼できればリオ五輪の閉幕式で次回開催地をアピールする時間があるが、その時にブラジル版AKBデビューが飾れれば一番効果的だ。次の東京五輪までの4年間が、ちょうどJHの最初の期間。その間、同グループが日伯友好のシンボルになる。日本文化がそのようにブラジルの注目を浴びれば、そっぽを向いていた日系子弟でも「日本文化や日本語を勉強しようか」という気になるのでは。(深)