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サンパウロ州が州立大の予算削減=商品流通サービス税減収で

 サンパウロ州政府が、サンパウロ総合大学(USP)、カンピーナス総合大学(Unicamp)、パウリスタ州立総合大学(Unesp)への予算を2億3300万レアル削減した。
 州立大学への予算は商品流通サービス税(ICMS)の9・57%と決められており、この額を3校で分配するが、15年1~11月のICMSは前年比で実質4・7%減収となっている。
 アウキミン知事は、15日に州全体の予算を70億レアル削減すると発表した際、州立大学への予算削減も盛り込んだ。3校への予算は当初、USPが52億6200万レアル、Unicampが27億4800万レアル、Unespが25億3500万レアルの計105億4千万レアルとされていたが、新たに発表された額は、51億1500万レアル、26億9400万レアル、25億300万レアルの計103億1千万レアルとなっている。
 最も影響が大きいのは3%削減となったUSPだ。USPは15年11月の時点で9億8800万レアルの赤字を抱えており、これまでに蓄えてきた基金を切り崩す状態が続いている。USPの場合、15年11月の人件費が州政府から回ってくる資金の102%に達しており、今年度も5億4300万レアルの赤字となると予測している。
 州立大学は3校とも、14年から財政難に陥っており、基金を切り崩したりしながら運営を続けているが、州政府からの予算は15年度も、当初額から2億2400万レアル減額された。
 UnicampとUnespは今年度の赤字額の見通しをたてていないが、Unicampは当初予算の2%減、Unespも1%減という状況下、研究費などの投資減額や日常経費のカットもあり得る。
 3校は15年11月の時点で州政府から79億2千万レアルを受け取ったが、この額は年頭の見通しより14%少なかった。ICMSは通常、12月に徴収額が増額するが、経済危機の中でどの位回復できるかは見通しが立っていない。
 なお、3校の運営資金は州政府からの資金と自己資金、連邦政府からの援助金で賄われている。(22日付エスタード紙より)