ホーム | ビジネスニュース | 基本金利据え置きの影響=インフレ続伸の見方大勢=レアル安進み対ドル最安に=「今年後半には上昇」財相
2016年も厳しい見通しの伯国経済(Fernanda Carvalho/Fotos Publicas)
2016年も厳しい見通しの伯国経済(Fernanda Carvalho/Fotos Publicas)

基本金利据え置きの影響=インフレ続伸の見方大勢=レアル安進み対ドル最安に=「今年後半には上昇」財相

 経済基本金利(Selic)が市場関係者の予想に反して14・25%のまま据え置かれたことで、今年もインフレが継続するとの見方が広がっている。対ドル、レアル安傾向も変わらず、21日はレアル・プラン採用以来最安値を記録したが、ネルソン・バルボーザ財相は今年第4四半期の経済の回復に自信を見せていると22日付伯字各紙が報じた。

 20日の中銀通貨政策委員会(Copom)による、14・25%でのSelic据え置きは、インフレを抑えるためのSelic引き上げ論派と、市場での通貨の流れを活性化し、景気回復を促す、Selic据え置き論派の間で揺れた後の決断だった。
 スイスで開催中の世界経済フォーラム(ダボス会議)出席中のバルボーザ財相は中銀の独立性を強調し、「中銀は自分達が適切だと思う値にSelicを決める権利がある」と語った。
 「今回のSelic据え置きは(中銀の意図に反する)政府介入があったことを示している」と投資情報提供会社Wagner Investimentos社部長のジョゼ・ファリア・ジュニオール氏は語り、証券会社Spinelli Corretora社オペレーターのジョゼ・カルロス・アマード氏も、「Selic引き上げの期待をくじかれた投資家が資金を引き上げ、ドル高が進んだのは自明だ」と続けた。
 21日の為替市場のドル/レアルレートは一時1ドル=4・172レまで上昇し、94年7月のレアル導入以降、ドルのレアルに対する最高値をつけた。ただしこれはインフレを考慮していない。02年10月の1ドル=3・99レは、インフレ調整をすると今の1ドル7・08レに等しい。終値は1ドル=4・147レだった。
 今年の経済成長率を国際通貨基金(IMF)が予想したマイナス3・5%以内に抑えるには、ブラジルは今年のどこかで失速を食い止めなくてはならない。
 特定の経済部門に公的銀行の資金を投入する可能性を問われた同相は、「その事が常識はずれな事とは決して思わない。むしろ政府の義務だ。大事なのはそれが(ブラジル経済全体のために)効果的か否かだ」と語った。
 バルボーザ財相は21日、ダボス会議で「ブラジル経済を今年の第3四半期には水平飛行に戻し、第4四半期には上昇に持っていく」と語った。