【既報関連】今年初頭から、サンパウロ市の公共交通運賃が3・5レから3・8レに値上がりした事に反対し、無賃乗車運動(MPL)が頻繁に抗議行動を行っているが、21日もサンパウロ市中心部ドン・ペドロ2世公園バスターミナルを皮切りに5回目の抗議デモが発生し、少なくとも9人が負傷、9人逮捕(MLP発表)と22日付伯字各紙が報じた。
軍警発表によると、ドン・ペドロ2世公園バスターミナルには400人しか集らなかった。これは今年最初、8日のデモに3千人集った事と比較するととても少ない。
デモ隊は午後5時頃から集り始めた。バスターミナルは午後4時半から封鎖され、バス利用客は苦労を強いられた。
帰宅手段を断たれたサンパウロ市西部在住の販売員(42)は、「デモ隊は自己満足、運賃は戻らないと思う。政治的な裏があるはず」と語った。
午後9時半頃にレプブリカ(共和国)広場に差し掛かったデモ隊は、市内南部のサンパウロ州議会に向かおうとしたが、軍警が事前に届けられていないとして隊の進行を食い止めようとしたことで、混乱が生じた。
デモ隊は警察に向かって瓶などを投げつけ、軍警は催涙ガス弾、ゴム弾で応戦した。騒動に紛れてブラジル銀行の店舗が一つ破壊されている。
ゴム弾が当たったり、ガス弾の破片が当たったりして負傷者が出た。頭から血を流していたアンドレ・アキノ氏は、共和国広場でガス弾の破片を額に受けたと訴えた。
「デモの際に起きた事は、暴力手段を独占的に保持する軍警が一般市民に対して組織的、戦略的に暴力を用いた結果に他ならない」とMPLは声明を発表したが、軍警からの声明は出ていない。