連邦警察は、ゼロテス作戦に関し、ルーラ前大統領の三男、ルイス・クラウジオ氏の企業にロビイストのマウロ・マルコンデス容疑者から支払われた金が、第1期ジウマ政権で締結された、空軍用のスウェーデン製戦闘機の購入契約にも絡んでいるのではないかとの疑惑を抱いていると、23日付エスタード紙が報じている。
マルコンデス容疑者が2014年~15年にルイス・クラウジオ氏の企業「LFTマーケティング・エスポルチーヴォ」に支払った250万レアルは、2009、10、13年に提案された暫定令(MP)471号、512号、627号に関するものと見られていた。
これらのMPは、自動車製造業者が連邦政府に減免税処置の延長を求めた結果作られたもので、自動車製造業者がロビー活動をしていたマルコンデス容疑者を介してLFTに贈賄を働いたのではないか、との疑惑が生じていた。
この件に関し、ルーラ氏は今月6日に連邦警察で行った供述で、息子への疑惑や自身の関与を否定している。同氏はマルコンデス容疑者を「70年代から知っている」と認めたものの、息子の会社とは金銭のやりとりはなく、同容疑者を息子に紹介したこともないと供述した。
だが、ここに来て、連邦警察は、この250万レアルの支払が、ジウマ政権が2014年に空軍用に購買契約を交わした、スウェーデン製のグリペン機に絡んだものなのではないか、との疑惑を深めている。
ジウマ政権は、グリペン機をめぐり、14年にスウェーデンのSaab社との間で54億米ドルの購買契約を行っているが、その際にSaabのロビー活動を行っていたのもマルコンデス容疑者だったのだ。
空軍用の戦闘機については、ルーラ大統領が2009年にフランスを訪問した際、同国製の戦闘機を購買すると宣言したが、ジウマ政権になって撤回され、Saabへと翻った。
マルコンデス氏夫妻の「マルコンデス&マウトーニ」社から押収された資料の中からは、同社がルーラ氏やルーラ研究所にSaabの戦闘機を買うように勧めた文書が見つかったが、ルーラ氏はそんな文書は受け取っていないし、ジウマ氏とその件で話したこともないとしている。
ルーラ氏は、MPに関する疑惑で同氏に言及した別のロビイスト、アレッシャンドレ・パエス・ドス・サントス容疑者の証人として25日に連邦警察で供述するよう求められていたが、「その件はもう答えた」として拒否している。
一方、ジウマ大統領やアロイージオ・メルカダンテ前官房長官、ウンベルト・コスタ上院議員らも、2月5日までにMP問題に関する供述を行うよう求められている。