国外送金に２５％課税？＝観光業者や旅行客ら混乱

　１月１日から国外で受けるサービスのために国外にある銀行口座に送金すると２５％の所得税が課税される事になり、外国旅行などの経費が更にかさむ事になったが、課税対象や課税率が不明確なため、観光業者や消費者、銀行の間で混乱が広がっていると２５日付エスタード紙が報じた。
　甥をオーストラリアに留学させるため、見積りを依頼したシウヴァナ・デオリンダさんは、非課税の見積りと６・３８％が課税された見積りを受け取った。同件は、観光業者や銀行が法令を充分に理解していない事と、財務省が課税率を変更する可能性があったために混乱が起きた例だ。
　国外口座への送金への課税は２０１０年に裁可された法令１２２４９号で定められたが、観光業者は２０１１年１月～１５年１２月は非課税だった。業界は顧客減少を懸念し、１５年末に当時のジョアキン・レヴィ財相に６％への課税率引き下げを要請したが、財相交代で結論が出ぬまま越年した。ジャッケス・ヴァギネル官房長官は先週、合意は有効と発言したがが、２６日付官報には２５％維持と掲載された。
　他方、財務省は２０日に教育や科学、文化の３分野を目的とする旅行や国外にいる扶養家族への送金は非課税との文書を出したが、エガリ・インテルカンビオ社では、銀行毎に２５％を徴収するか否かに差があるため、当面は消費者に６・３８％を徴収していた。
　パックツアーを諦め、サイトでホテルなどを予約し、クレジットカードで払う人やホテル代を現地清算する人は金融取引税（ＩＯＦ）６・３８％のみ課税される。国内でのインターネットバンキングで銀行送金を行う時や外国通貨購入時も所得税は不要。ブラジルと税制上の協定を結んでいる国への航空便も免税となる。
　パックツアーなどを手がける業者の一部は１２月中に国外送金を済ませて消費者への負担増を避けたが、今後はドル高と新税分の徴収で外国旅行が高嶺の花となる人も増えそうだ。