ブラジルでは現在、国家を揺るがす史上最大の汚職事件の「ラヴァ・ジャット作戦」の捜査で一躍有名になった日系人連邦警察官が話題を呼んでいるが、もうひとつ、これから大きくなりそうな汚職事件「ゼロテス作戦」でも、次の日本人連邦警察官が話題を呼びそうだという。
日系人のニュートン・イシイ氏は、きわめて意外なところから突然有名になった日系人で、今や全国にその風貌が知れ渡っている。
ラヴァ・ジャット作戦では、捜査発動で誰かが逮捕されるとまず間違いなく、その日のテレビニュースのトップ扱いとなるが、その現場中継には、必ずと言っていいほど白髪まじりでサングラス姿の日系人の姿がテレビに映し出されている。それは次第にインターネットで「あの、いつも画面に映っているジャポネースは誰なんだ?」と話題となり、やがてテレビや雑誌までが、その本人、ニュートン氏を取り上げるようになって一気に広がった。
今やニュートン氏は、2月に行われるリオデジャネイロ市のカーニバル恒例の「今年の顔」を象徴する似顔絵マスクでも、トップクラスの人気になっている。
ところが、ルーラ前大統領の三男に家宅捜査が入ったことなども手伝って、ラヴァ・ジャットの次に大きくなりそうな別の汚職事件、「ゼロテス作戦」の連邦警察の捜査チームにも、同じような風貌の日系人がいて、話題になりそうだという。
その人の名は、ロベルト・シンイチ・マツウチ氏だ。奇遇なことに、同氏もニュートン氏同様、短く刈り込んだ白髪頭であり、早速ニュートン氏と比べられる要素があるというのだ。
連邦警察によると、シンイチ氏は、ニュートン氏に比べればだいぶ若いが、それでも連警に28年在籍しているベテランで、同じく連邦警察官だった父親のキャリアを追った人物だという。
これまでは企業の大物の逮捕が多かったラヴァ・ジャットも、2月から本格的に汚職政治家の捜査がはじまることが予想されており、報道現場でのニュートン氏の登場回数はさらに増えそうだが、ゼロテスもルーラ氏をはじめとする政府関係者の汚職が解明され、さらに注目を浴び始めればシンイチ氏の姿を見る機会も増えそうだ。(28日付G1サイトより)