サンパウロ州北西部のトレース・イルモンス水力発電所とイーリャ・ソルテイラ水力発電所のダムの水位低下のため、14年5月以降、20カ月間にわたって水運が停止していたチエテ―パラナ水路の貨物船の運航が、27日から再開された。
運行が止まっていたのは、トレース・イルモンス発電所の貯水ダムから99・5キロの地点からノヴァ・アヴァニャンダヴァ水門下までの区間だ。パラナ―チエテ水路はパラナ川1600キロとチエテ川800キロの計2400キロに及んでいる。
ここ数週間、順調に雨が降った事で、川の水位と水力発電所のダムの水位が回復。ダムから川への放水量も増えた事で、運行のために最低限必要とされる水深2・8メートルが確保され、運行再開となった。
同水路は農産物などを生産地から海岸部の港を結ぶ重要な輸送路で、南米南部共同市場(メルコスル)の輸送拠点としても機能している。さらに、サンパウロ州やパラナ州、南マット・グロッソ州、ゴイアス州、ミナス・ジェライス州にとっては、トラック、鉄道に並ぶ統合的な輸送システムの一部でもある。
同水路を用いての貨物輸送は、大豆やトウモロコシ、肉、油、砂糖、セルロース、木材、肥料などが中心で、2006年は390万トンだった輸送量が、2013年には6930万トンに増加。予想より早い時期の運行再開で、今年の輸送量は13年の実績を上回る見込みだ。運行が順調に継続されれば、2017年の輸送量は700万トンに及ぶと見られている。(27日付アジェンシア・ブラジル、同ヴァロール紙電子版、サンパウロ州政府公式サイト、フォトス・プブリカスなどより)