1月30日、ブラジルサッカー界の短いオフが終わりを告げた。リオやサンパウロなどの州選手権の開幕だ。
昨年12月6日に全国選手権1部の最終節が終わって以来55日ぶりのことだった。
ブラジル以外に州別の大会を開いている国は他にもあるが、それはすべて全国選手権の下部リーグとしての扱いだ。全国選手権1部、2部、3部とレベルが落ちていき、小規模クラブには国内移動が負担となるために州選手権が行われる。
ブラジルはそれとは違い、全国選手権のトップチームが州選手権も戦う。そのため日程が過密になり、代表戦も休みにならず、平日開催も他国の比にならない頻度で行われ、オフも短くなる。
全国レベルの強豪が、小さなクラブと対戦しなくてはならず非効率性もささやかれるが、国土の広いブラジルでは全国選手権より、州選手権の方がはるかに歴史が古い。「伝統を重んじるべき」との声に、州選手権の廃止または大会形式の変更がなされる様子もない。
ともかく、ブラジルサッカー・シーズンの幕開け、昨年の全国選手権1部優勝のコリンチャンスはサンパウロ州選手権1部を、2位のアトレチコ・ミネイロ(CAM)はミナス・ジェライス州選手権1部を戦った。
主力選手の多くを中国チームに引き抜かれたコリンチャンスは新メンバーの連携が今一つで、全国選手権では4部にも入れない、キンゼ・デ・ピラシカーバに大苦戦、後半ロスタイムの得点で辛くも1―0で勝利した。
昨年全国選手権2位のCAMも、昨年ミナス州選手権2部からの昇格組、全国レベルではないウベルランジアに苦戦、終了4分前にDFがロングスローに頭で合わせたボールが敵DFにあたってコースが変わってゴールに入り、貫禄を見せ付ける訳にはいかなかった。
州選手権は今後5月初旬まで行われ、それぞれの州ごとに優勝チームが決まるが、そこでの成績は当然全国選手権には反映されない。
裾野が広いのも特徴で、ノヴォ・オリゾンチ(サンパウロ1部)のジェシ(元川崎フロンターレ)、バングー(リオ1部)のマギヌン(元名古屋グランパス等)、PTSC(パラナ1部)の三都主(元清水エスパルス等)のように懐かしい選手がプレーしているのも特徴だ。 (規)
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