アメリカの大統領選挙は、2月1日にアイオワ州を皮切りにはじまった民主党と共和党の党員集会を皮切りに本格化しはじめたが、今回の大統領選にブラジルからの移民2世が立候補している。
とは言っても、この候補は民主党や共和党の所属ではない。つまりは、それ以外の独立系の候補ということになるが、その本人、ロッド・シウヴァ氏(43)は、その名も「栄養党」からの立候補で、副大統領候補は兄弟で医師のリッチ・シウヴァ氏だ。
そもそも、シウヴァ氏は政治家ではなく、本業は全米13州にチェーンを持つ健康食レストラン「マッスル・メイカー・グリル」のオーナーだ。この店は、ファストフードではなく、もっとアメリカ国民に、本来食べるべき健康な食べ物を届けることをモットーとしている。
その動機となったのは、18歳のときにサンパウロ州サントス市からエンジニアになるために単身ニュージャージー州に渡った父親の影響だという。父親は心臓病が原因で急死したが、そのことが同氏をして、「もっと自分の健康をいたわるべきだ」との信念に導いたという。
シウヴァ氏は昨年10月20日、大統領選出馬の手続きを行った。もう早速キャンペーンをはじめているが、他の大統領候補がアメリカや世界の経済状況の数字を上げる中、同氏のサイトでは一貫して肥満や糖尿病、高血圧やコレステロールに関する国民のデータをあげ、健康上の諸問題への啓蒙活動を進めつつ、問題提起を促している。
アメリカ人の食生活に対するシウヴァ氏の危機意識はこれらでかなり明確だが、政治的ポリシーについては、UOLサイトの取材に「私は保守派ともリベラルとも違う。ただ、規制が多い世の中では企業の成長も雇用も増えないし、零細企業がアメリカン・ドリームを生きられない」と答えている。
さらに糖分や脂肪分の多い食品には高い税金をかけよと言う人々については、「国民の負担する税金が少なければ、経済活動や教育費により多くの金を回せる。生活の質の改善やより健康的な生活を生み出すのは、枠にはめ込むコントロールではなく、教育で育つ良識だ」とも語っている。
はたしてシウヴァ氏の主張は全米国民に届くか。(1日付UOLサイトより)