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ジャノー長官(左)とクーニャ議長(José Cruz/Agência Brasil)
ジャノー長官(左)とクーニャ議長(José Cruz/Agência Brasil)

最高裁=クーニャとジャノー隣合せ=お互い目も合わせず=検察庁はいよいよ政治家狙い=下院はシャッパで再審請求

 1日、連邦最高裁が16年の仕事はじめとして開廷式を行った。そこに、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)と、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で同議長を起訴し、同議長の辞任も最高裁に訴えたロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官が隣り合って座る一幕が見られたが、両者が目を合わすことは一度もなく、両者の関係性を改めて浮き彫りにしたと、2日付伯字紙が報じている。

 ジャノー長官はクーニャ議長と目を合わせなかったどころか、最高裁で行った挨拶でも、参列していたレナン・カリェイロス上院議長やジウマ大統領の代理として出席したジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相ら、三権の長の名前を挙げた際、クーニャ議長の名前には言及せず、注目を浴びた。
 同長官は、LJの捜査に権威主義や既得権が入り込む余地はないとし、「それは社会が検察庁に望んでいるものであり、憲法も公的に求めているものだ」と語って、LJの捜査を妨害しようとする声には耳を貸さない姿勢を示した。
 今年の上半期からは議員特権で保護されている政治家に関するLJの審理も具体的に始まる見込みで、同長官は最高裁と協力し、良い結果が出るようにしたいとも発言して喝采を浴びたが、クーニャ議長は沈黙を守り続けた。
 同議長は検察庁が最高裁に提出したLJの捜査リストに自身の名前があがって以降、ジャノー長官との関係が思わしくない。その後、ペトロブラスの事業に関する500万ドルの贈賄疑惑やスイスの秘密口座発覚などを理由に起訴され、昨年12月には、下院での自身の捜査や政治倫理委員会での自身の議員権剥奪の審議妨害などを問われ、最高裁に議長罷免を求める請求を出されていた。
 クーニャ議長は最高裁では沈黙を守ったが、同日が仕事はじめだった下院では、議長自身がまとめた最高裁への再審請求手続きを行った。これは最高裁が昨年12月に、下院が承認したジウマ大統領の罷免審議の特別委員会のメンバーのシャッパを無効としたことや、下院が罷免決議を行った後、その後の審理を行うか否かを上院が判断できることなどを定めたことを不服としたものだ。
 このシャッパは、ジウマ大統領支持派のレオナルド・ピッチアーニ下議(PMDB)が提案したPMDBの委員に不満を抱いた同党の反政府派議員が論争を始めたため、野党側が代案を出すよう求めたものだ。クーニャ氏がそれを認めたため、本会議では野党側提出のシャッパが無記名投票で承認された。最高裁では無記名投票で承認したことが問題視され、判事投票で否決された。
 再審請求は最高裁での判決文公表前に行われため、政府側に有利な票を投じた一人のルイス・ロベルト・バローゾ判事が再審請求そのものを却下すると見られている。