ジウマ大統領は2日、主要閣僚と共に16年度の議会の開会セレモニーに参加し、上下両院議員を前に所信表明演説を行った。演説中は数回にわたり、与党議員も含む反対勢力からのブーイングが起こり、大統領が金融取引暫定納付金(通称「銀行小切手税」・CPMF)復活について語った時は抗議の声が一層強くなったと、3日付伯字各紙が報じた。
閣僚陣に囲まれて入場したジウマ大統領は、リカルド・レヴァンドウスキ最高裁長官、レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)、エドゥアルド・クーニャ下院議長(PMDB)の出迎えを受けた。
大統領は最高裁長官、上院議長とは抱擁と2回の軽いキスで挨拶したが、下院議長とは握手しただけで、その後の波乱の幕開けを予感させた。
演説中の大統領の気を削いだのは、反対勢力によるブーイングや「CPMFあっちいけ」のプラカードよりも、大統領が小頭症児へのケアのための保健政策について語った時に、マラ・ガブリッリ下議(民主社会党・PSDB)の上げた「貴方の政府は全く国民を守れていないじゃない!」という叫び声だ。同下議は3度、演説を中断させており、ジウマ大統領は不快感をあらわにした。
ジウマ大統領は「CPMFに反対している議員が大勢いる事は認識している。しかし現状の国難を鑑みると、CPMFこそが国家財政に一時のゆとりを与えるための最善策だとお分かりいただきたい」と語り、CPMFによる税収は社会保障や保健部門に使われると強調して説得を試みた。
同大統領はまた「過去の成長を無駄にすることなく、今年をブラジルを新たな成長軌道に乗せるための礎とするべく、議会の協力を大いに期待している」とし、〃大車輪〃で職務にまい進する覚悟を示した。
社会保障制度改革については、その成果は在任中には目に見えてこないが、国民の平均寿命が延びている中、ブラジル財政を破綻させないために不可欠であると説明。「国民がこれまでに勝ち取ってきた権利を侵す事はない」と言い添えた時は、列席議員からも拍手が上がった。
大統領や閣僚らは演説中の野次沈静化を試み、対話の姿勢を示そうとした。大統領は「反対派の野次もブーイングも民主主義の現れ」とし、「反対派も含め、今日の反応は素晴らしかった。議員の前で所信を述べることは私の義務。困難な時こそ強い決意と覚悟、そして希望を忘れずに臨む事が大切」と語ったが、記者団の質問には答えないまま議場から退出した。
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