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リジア・ファグンデス・テレス(Divulgação/UBE)
リジア・ファグンデス・テレス(Divulgação/UBE)

ブラジルからノーベル文学賞ノミネート=女流の第一人者リジア

 ブラジル小説家連合(UBE)は3日、作家のリジア・ファグンデス・テレス(92)を、今年度のノーベル文学賞の候補として推薦したと発表した。
 同団体のドゥルヴァル・デ・ノローニャ・ゴヨス代表は記者会見で、「リジアは現在ブラジルで生存する作家の中では最高峰の存在で、作品の文学的な質の高さは疑問を差し挟む余地がない」と語っている。
 ブラジルで国際的に知られる女性作家と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「家族の絆」「星の時」などが日本でも紹介されているクラリッセ・リスペクトール(1920―77)だが、リジアはクラリッセ亡き後のブラジル文学界を女流文壇の中心として支えてきた。
 最大の代表作は1973年に発表、90年代に映画化もされた「アス・メニーナス」だが、長編作は4作と少なく、むしろ中編、短編の作品が多い。
 主な作品は「アンテス・ド・バイレ・ヴェルデ」(70年)、「セミナリオ・ドス・ラトス」(77年)、「ア・ディシププリーナ・ド・アモール」(80年)、「オイト・コントス・デ・アモール」(96年)、「インヴェンソン・エ・メモーリア」(00年)などで、ポルトガル語文学の権威であるジャブチ賞を66年と74年、カモンエス賞を05年に受賞している。
 彼女の作品はこれまで英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポーランド語などに訳され、広く読まれており、映画やテレビドラマ、演劇などでも度々演じられている。
 リジアはブラジル小説家連合の設立者で、現在も名誉顧問をつとめている。
 南米は、60年代に、コロンビアのガブリエル・ガルシア・マルケスやアルゼンチンのフリオ・コルタサルなどが世界的な「南米文学ブーム」を巻き起こした実績があるなど、文学界での知名度は高い。ノーベル文学賞も2010年受賞のマリオ・ヴァルガス・リョサ(2010年)まで、これまで6人の受賞者を出している。ただ、ブラジル文学界からはまだノーベル文学賞作家が出ていない。
 ノーベル文学賞の発表は10月に行われる。(3日付アジェンシア・ブラジルより)