サンパウロ州内の別荘二つにまつわる疑惑の渦中にあるルーラ前大統領(労働者党・PT)をめぐり、労働者党(PT)が同氏を擁護するために諸々の対策をめぐらす一方、さらなる疑惑が進行中と4日付伯字紙が報じている。
ルーラ氏に関する疑惑のひとつは、1月26日に行われたラヴァ・ジャット作戦(LJ)第22弾の対象のひとつで、サンパウロ州グアルジャーにあり、ペトロブラスの贈収賄計画に利用された疑いもある高級三層住宅(トリプレックス)をめぐるものだ。
問題の住宅は、LJの政界での主犯のひとりとされるPT元中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告がバンコープ社(既に倒産)の社長時代に建設がはじまった。ルーラ氏の夫人はこの時期に購入権を得るための手続きを行ったとされるが、住宅建設はその後、同じくLJの疑惑企業OASが引き継いた。OASは、ルーラ氏らが訪れたりしたが、購入を放棄したとされる物件の改築工事も行っている。
PTの下議らは現在、結成に動きつつあるバンコープの議会調査委員会(CPI)でルーラ氏が標的になるのを牽制すべく、野党最大党の民主社会党(PSDB)の大物2人を標的にしたCPI結成を目指している。
ひとつはジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事を標的にしたもので、サンパウロ州内の公立校の給食に関わる事業契約で水増し請求などの不正が行われたという疑惑を調査する。同件では、州局長クラスやフェルナンド・カペス州議会議長(PSDB)らの関与が疑われている。
もうひとつはミナス・ジェライス州元知事のアエシオ・ネーヴェス上議に向けたもので、昨年11月にミナス州で決壊したサマルコ社所有の鉱滓ダムに関し、同社が同州当局からダム建設許可を得た経緯などを調べようというものだ。
アウキミン氏とアエシオ氏は共にPSDBの大統領候補になったことがある人物で、18年の大統領選では再出馬が予想されるルーラ氏との一騎打ちが予想されている。
また一方で、ルーラ氏らが愛用し、長男のルリーニャ氏が共同経営者である企業家二人の所有となっているアチバイアの大型別荘にも疑いの目が向けられている。
1月29、30日付フォーリャ紙は、巨額の費用をかけた別荘の改修工事を、LJに絡んだ中でも最大規模の疑惑企業で、ルーラ氏が懇意のオデブレヒト社が行ったと報じている。また、4日付同紙は、前述のOASと、ルーラ氏の親友として知られる牧畜企業家で、現在はLJで逮捕中のジョゼ・カルロス・ブンライ氏が所有するサンフェルナンド製油所も、農園内の改修に出資したと報じている。
4日付エスタード紙では、ルーラ氏が大統領退任した時の引越の荷物の一部はアチバイアに運ばれたとも報じている。
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