JICAブラジル事務所サンパウロ出張所日系社会班(ボランティア事業)の人事異動に伴い22日、挨拶のため退任する2人と新任の3人の調査員が来社した。現在全伯に57人の日系社会ボランティア隊員が派遣中で、一昨年に安倍晋三首相が発表した増員計画に合わせ、調査員も増加して対応する。
退任する長谷川辰雄班長(51、福島)、布施圭子さん(44、東京)はともに南米で隊員の経験があった。それぞれ、「隊員たちは自分と同じようにいい体験ができている」「中々順調に進まない隊員もいるが、同じ目線に立って職務にあたった」と話した。
新体制の中野直美班長(50、東京)は中南米5カ国目の勤務、綿山友子さん(45、大阪)は亜国でボランティア経験があり、本谷ちひろさん(31、兵庫)はサンパウロ州グアルーリョスとリオで計2年間の留学を経験した。それぞれが中南米に関わりが深く、「日系社会ひいてはブラジルのために貢献していきたい」と声を揃えた。
増員されるボランティアには業種の多様化も期待される。今年8月に派遣される人材について長谷川班長は、レジストロや汎アマゾニアなどで要請がある「日本料理専門家の派遣の可能性は高い」と語った。同じく要請がある「卓球、剣道、YOSAKOIソーランなども検討されている」という。特にシニアについて、「経験豊富で奉仕の精神も強い」と期待を込めた。
また日系社会ボランティアは前身の「海外開発青年」から数えて、今年開始30年を迎えることになり、当地での式典を企画中だ。