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もはやいたちごっこ?=止まらない用具のドーピング

 8月5日の五輪開幕をちょうど半年後に控える2月5日付のブラジル現地紙が、「競技用具の秘密」に関する特集号を出した。
 その中でブラジル卓球代表、15年のパン・アメリカン大会でも準優勝した日系ブラジル人のカロリーネ・クマハラが卓球のラケットの秘密を明かした。
 卓球のラケットは中心の木の部分の両側にゴムのラバーを接着剤で貼ってできている。
 その接着剤は外側からは見えない。だが、ものによっては卓球界では重大な違反で、〃ドーピング〃同然に考えられている。
 溶剤を接着剤に混ぜてラバーをラケットに貼ると、球速が増し、スピンもかかりやすくなるという。あまりの強力さに〃スピード接着剤〃のあだ名も付くほどだ。この接着剤を使うと、時速140キロの力で打った球が時速180キロになるとされ、球速が約30%アップするという。
 各競技会の前には、選手達のラケットを機械にかけ、溶剤から生じるガスの有無を調べる事で違反を未然に防ぐが、カロリーネによると、「球を打った時の音で違反接着剤を使っているか分かるくらい」だという。
 一流選手はラケットのラバーを1週間に1度貼りかえる。張り替える時は、ラバーと木の部分に接着剤を塗って貼り合わせ、充分に接着したら、ラバーの縁をラケットの形に合わせて切る。
 〃スピード接着剤〃は禁止されているが、同じ効果を発揮する別の方法が最近発見された。ラバーの表面に野菜の油を塗ることだ。こうしても禁止接着剤と同じ効果が出る。今のところ、油を塗ったかどうかを見分ける術はない。(5日付フォーリャ紙より)