リオ州でギラン・バレー=ジカ熱との関係なお明確に
【既報関連】世界保健機構(WHO)が1日に「国際衛生緊急事態」宣言を出した際も懸念されていたジカ熱と神経系の難病のギラン・バレー症候群に関し、リオ州で同病の患者が急増している事が明らかになった。
5日付グローボサイトによると、患者急増が確認されたのは、同州ニテロイ市のフルミネンセ連邦大学付属アントニオ・ペドロ病院だ。同病院では入院中の患者6人は全員、ジカ熱感染後に神経症状を呈し始めた。内2人は特に重態だ。
同病院が対応するギラン・バレー症候群の患者は年間5人に満たない事が多いが、1月は入院中の6人とより軽症な患者10人に治療を施した。
ジカ熱による小頭症児増加は妊婦や妊娠を考える女性には大きな懸念材料となっているが、ジカ熱の怖さは小頭症だけに止まらない。ブラジルでは既に北東伯でのギラン・バレー症候群の患者急増が報告され、WHOも両者の関係を認識済みだが、リオ州での患者急増は再度の警鐘となった。
重度のギラン・バレー症候群患者の治療薬は高価で、検査機関や治療に必要な施設や機材、治療薬の不足は医師達の悩みの種だ。リハビリも数年かかる事が多い。
A・ペドロ病院のオズワルド・ナシメント医師によると、ジカ熱感染で発症したギラン・バレー症候群患者は、通常の患者より重症の人が多く、その数も急増中だ。
ジカ熱は80%が軽症か無自覚とされるが、小頭症やギラン・バレー症候群のような重篤な影響が出る例もあり、個人差が大きい。
ギラン・バレー症候群は10万人に1人が発症する難病で、20%が重態化、5%は死に至る。A・ペドロ病院で最も重篤な患者は、意識はあるが機械呼吸、運動機能が冒されて、動かせるのは眼球のみだ。
5日付G1サイトは、ジカ熱患者の尿や唾液からもウイルスが確認されたと報じており、精液同様に感染能力を有しているかの確認が急務だ。