老人ホーム「憩の園」の入居者23人の人生に焦点を当てた、日ポ両語の書籍『黄昏乃稔り 物語・写真・俳諧』が昨年12月に発刊された。日本での幼年期、移住の経緯、家族や仕事のこと、そして老後の人生などが綴られている。
著者は弁護士のゴンサロ・ルイスさん。学生時代に精神分析学を修めた経験から老人介護に長く関わり、これまでに聞いた日系人のエピソードを形にしたかったという。「美しい本として結実し、本当にうれしい」と顔をほころばせた。
日語訳は弁護士の二宮正人さん、写真はその道35年以上のルイス・バーロスさんが担当。人生を語る入居者の表情が、柔らかなモノクロ写真で収められ、各氏を象徴する俳諧も添えられた。
同園を運営する救済会の吉安園子会長も、「憩の園が持つ使命の結実をこの本に見ることができ、本当に感謝しています」と喜びを口にした。
なお出版記念パーティーが12日午後7時から、ニッケイパラセホテル(Rua Galvao Bueno,425)で開催される。同園主催でサンパウロ州文化局、農機メーカーのジャクト、食品会社パンコらが協力。また13、14の両日午前9時からは、掲載写真のパネル90点が同会場で展示される。
同書の取り扱いは憩の園のみ。寄付者への御礼として進呈する予定。
問い合わせは同園事務所(11・3208・7248)まで。
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憩の園に入居する人々の人生を文章、写真、俳諧で綴った「黄昏乃稔り」。写真家のルイス・バーロスさんは、本の制作に携った感想をハイカイに残している。「少し開いたドアの隙間から 人生におけるすべての感情が ゆっくりと通り過ぎていった」。幼少期に来伯した一世、ブラジル生まれの二世らが、家族や仕事、恋愛について語り、それを目の前で聞くかのように、美しい写真とともに味わうことができる一冊。非売品だが、同園へ寄付をした人に進呈する予定とのこと。希望者は同園へ問い合わせを。