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全伯各州の財政状況が悪化=財政責任法に抵触の恐れ

 経済危機による税収減と政府からの公布金の減少により、ブラジル全州の昨年の収入は、総計で300億レアルも見込みを下回り、財政責任法(LRF)抵触を防ぐため支出削減が必至と9日付フォーリャ紙が報じた。
 同紙の調べでは多くの州で税収と政府からの交付金を合わせた総歳入が見込みを下回った。財政危機は多くの州で人件費圧迫につながり、年間を通じての支出上限を超えた州は20州に及んだ。
 年間を通じた財政危機が表面化したのは16年を目前とする年末で、リオ州ではルイス・フェルナンド・ペザン知事が保健医療部門の人件費を遅配したため、緊急医療所の閉鎖などが起き、医療体制が大混乱に陥った。
 セルジッペ、トカンチンス州では13カ月給が滞り、南大河州では政府への負債返済の遅延が日常の事となった。サンパウロ州の負債総額は、純税収の約1・5倍から1・7倍になった。15年の税収が前年より増えたのは、パラナ州、パラー州、マラニョン州のみだった。
 一番歳入が大きく見込みを下回ったのはリオ州で、ペトロブラス社からのロイヤリティ落ち込みなどで、434億レアルの見込みに対し、291億レの歳入で終わった。
 サンタカタリーナ州のアントニオ・ガヴァゾーニ財務局長も「歳入減は保健医療、教育など全分野に影響し、サービスの質も低下する」と語る。
 LRFによると、財政赤字が続くと自治体の活動は制限がかかり、8カ月以上改善がみられなければ連邦政府からの財政支援が打ち切られる。
 人件費の超過支出や負債増加最大州は南大河州で、負債額は純収入の約2・3倍に達した。同州の国内総生産(GDP)は全国有数だが、設備投資額は全国でも少ない。