【既報関連】妊婦がジカウイルスに感染した場合、その胎児に発生する障害は小頭症や視覚障害だけではないとの説が浮上していると15日付エスタード紙が報じた。
ブラジルでのジカウイルス感染拡大と共に、ジカウイルスは就学時になって判明する知的障害や聴覚障害の原因となりうるとの見解を表明する研究者が出始めた。この説は、昨年半ば以降に生まれた子供の観察を続けることで裏付けられうる。
専門家は同紙の取材に対し、妊娠期にジカウイルス感染の疑いがあったか確認された妊婦から産まれた子供は、小頭症の発症の有無に関わらず、定期検査を受けるべきだと語った。
ジカウイルスの脅威が叫ばれ始めるまで、妊婦達は、風疹や、妊娠期に動物と接触したり生肉を食べたりすることで感染するトキソプラズマを最も恐れていた。風疹はワクチンが開発され、トキソプラズマはよく加熱調理したものを食べる事によって避けうるが、妊婦がこれらに罹患すると胎児にも感染し、その後の一生に影響を与える。
カリーナ・ガルボン・ド・ナシメントさん(看護婦・46)は02年3月にカタリーナさんを出産した。出産当時は何の問題も発見されなかったが、「這い這い」を始めたころ、母は娘の視覚に異常がある事に気が付いた。移動にとても苦労し、テレビに物凄く近づいて観ていたのだ。
医師の診断の結果、カタリーナさんの視覚障害は、カリーナさんが妊娠中にトキソプラズマに感染した(ただし本人は無自覚だった)ことで生じたものと判明した。
ジカウイルスも、風疹やトキソプラズマ、シトメガロウイルス同様、就学時やその直前になって判明するような障害を生じさせる可能性がある。妊婦がジカウイルスに感染した場合、妊娠中に小頭症や視覚障害などを発見する事も可能だ。早期発見はその後の治療にもメリットがある。
知的障害者の診断、予防を促進する市民社会団体、Apaeの遺伝学者テオハリス・エフカルピディス氏は、「胎児、新生児、幼年期と段階ごとに障害の有無、原因に留意する事が最初のステップだ。障害が発見されても早期治療を行えば治る確率が高く、重症化する確率も格段に落ちる」と語っている。