都市省が16日、2014年の市街地の上水道の普及率は93・2%、下水道普及率は57・6%で、上水道は2023年までに完備、下水道も2033年までに93%に普及させるという目標達成は困難と発表したと16、17日付伯字紙サイトが報じた。
14年の数値は13年の93%と56・3%より若干改善したが、期待値を大きく下回り、このままでは全国上下水道整備計画の目標達成は困難だという。
地域別の下水道の普及率は、14年も改善のために30億レアルを投じた南東伯は83%と高いが、17万レアルしか投じていない北伯は市街地でも10%。北東伯は30%、南伯は50%強、中西伯はそれよりもう少し普及していた。
都市省は、上下水道の普及が遅れている理由として、投資額の違いなどにも現れる各自治体の姿勢や経済力の相違、環境許可取得の遅れなどを挙げている。上下水道の整備や維持にかかる経費を住民から徴収するか否かは自治体毎に違うため、資金がなく、連邦政府に全面的に依存する自治体もある。現状では上下水道整備の資金は95%が国庫から出ている。
下水道整備の遅れは、デング熱やジカ熱流行の原因でもあるネッタイシマカ対策の遅れに繋がっているかとの質問に、都市省関係者は「上下水道の整備は長期的な問題だが、デング熱などの流行は単発的な問題」との見方を示した。しかし、トラッタ・ブラジル研究所のエジソン・カルロス所長は、「これまでは上下水道の整備の遅れと下痢や子供の死亡率、肝炎、皮膚病の関係を取り上げてきたが、今後はネッタイシマカ対策も問題となる」と発言。「上下水道整備費は経費ではなく投資」と強調した。
上下水道整備に関しては、全国工業連合(CNI)も1月、現在の投資のあり方では上水道完備は2043年、下水道完備も2054年にしか無理との見解を表明した。