17日、民主運動党(PMDB)の下院リーダー選挙が行われ、レオナルド・ピッシアーニ下議が、エドゥアルド・クーニャ下院議長の推すウゴ・モッタ下議に勝って再選を果たした。連邦政府寄りのピッシアーニ氏が勝利したことで、ジウマ大統領(労働者党・PT)の立場が有利になると同時に、クーニャ議長の立場が苦しいものになったと、18日付伯字紙が報じている。
投票結果は37対30(白票2)と接戦ではあったが、ピッシアーニ氏が勝利を飾った。これは連邦政府にとって大きな助けになると見られている。
ピッシアーニ氏はジウマ大統領の肝いりの人物として知られ、昨年12月には、下院での大統領罷免審議に関し、ジウマ氏自身がピッシアーニ氏中心に特別委員会をまとめさせようとした。
だが、ピシアーニ氏が選んだPMDBの委員候補は全員が大統領擁護派だったため、同党の反ジウマ派や野党側の反発を買い、同党の反ジウマ派や野党が別のシャッパを提出。大統領罷免の推進者でもあるクーニャ議長が無記名投票を認めたこともあり、野党側提出のシャッパが承認される事態(後に最高裁が却下)まで起きていた。
また、PMDB内部でも当時、ミシェル・テメル副大統領らから「党に対する連邦政府の内部干渉だ」として反発が起こり、ピッシアーニ氏を一時的に下院リーダーから引き摺り下ろすことにもつながった。同氏の党内での立場はこれによって危うくなりかけたが、その後、下院リーダーに復活した。ジウマ大統領は今回の投票でも積極的に働きかけを行っていたと言われ、マルセロ・カストロ保健相ら、連邦政府閣僚で下議休職中のPMDB党員は、1日仕事を休み、ピッシアーニ氏に票を投じに行った。
ピッシアーニ氏の当選は、下院での大統領罷免審議で親ジウマ派を勢いづかせる。また、連邦政府側が強く望んでいる金融取引暫定納付金(CPMF)復活でも、議会内最大の影響力を持つPMDBのリーダーとして、苦戦中の現状を好転させる可能性が出てきた。
また、ラヴァ・ジャット作戦に関連した偽証疑惑に伴う下院倫理委員会でのクーニャ議長の議席剥奪審議に関しても、同議長がPMDB内での影響力を示せずに敗れたことで、議会内での求心力をさらに失い、議長辞職を求める声を加速しかねない。
この結果に関し、クーニャ議長は「勝ち負けをいう問題ではない。モッタ氏もジウマ氏に投票した人物なのだから」と語り、平静を装った。
クーニャ議長は同じく17日に、下院憲政委員会(CCJ)が審議を終えるまで、下院の倫理委員会での議席剥奪審議を差し止めるよう求めた請求を、最高裁のルイス・ロベルト・バローゾ判事から却下された。
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