最高裁が17日に行った刑法に関する判事投票の結果、有罪となった被告の刑の執行は、最終審(第3審)の前の第2審後から開始されることとなった。18日付伯字紙が報じている。
この措置は、裁判の緩慢さや、被告側の刑逃れ対策を防ぐために行われたもので、同時に、1審や2審で判決を出した判事たちの威信を上げることも目的としている。
刑の執行は09年に、「上告の権利を有する間は自由の身で裁判を待つことが出来る(刑執行は最終判決が出てから)」と決められたが、裁判を遅らせようとする弁護側の工作が目立っていた。今回の審理も、強盗事件を起こし、1審で5年4カ月の判決を受けた被告の弁護士が、高等裁判所と最高裁に人身保護令適用を求めたことを問題視して起こった。
この件では、ラヴァ・ジャット作戦の担当でもあるテオリ・ザヴァスキ判事が報告官をつとめ、同氏が薦める「第2審後即座に刑の執行を開始」という意見に7人の判事が賛同した。賛同者の中にはルイス・ロベルト・バローゾ氏やエジソン・ファキン氏など、12年のメンサロン裁判後に就任した判事や、選挙高等裁判所正副長官のディアズ・トフォリ氏やジウマル・メンデス氏の名があった。
一方で反対したのは、リカルド・レヴァンドウスキー長官ら4判事だった。レヴァンドウスキー長官は、ブラジル内での起きている刑務所の不足と刑務所内の劣悪な状況を考慮して反対した。
この投票結果を受け、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は「刑逃れに対する決定的な一歩となった」と評価した。現職議員らを除くラヴァ・ジャット作戦関係者の裁判を担当するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事も、「最高裁はブラジル裁判での刑逃れをシャットアウトした」と喜びの発言を行っている。
だが、法曹界は、囚人が増えすぎることや、不当裁判が増えることになりかねないか、懸念の声をあげている。