ジウマ大統領(労働者党・PT)は18日、選挙高等裁判所(TSE)に、自身とミシェル・テメル副大統領(民主運動党・PMDB)にかけられた14年の大統領選キャンペーンでの違反疑惑解明と任期剥奪を求める訴訟に対する釈明書を提出し、民主社会党(PSDB)は「TSEを政治利用している」との批判を行った。19日付伯字紙が報じている。
14年の大統領選での違反訴訟は、決選投票で敗れたアエシオ・ネーヴェス氏が起こしたものだ。四つの訴状では政治献金にラヴァ・ジャット作戦での賄賂が含まれていることなどを疑い、選挙資金の中に賄賂が含まれていることが判明した場合には、ジウマ氏とテメル氏の任期を剥奪するよう求めている。
これに関し、ジウマ大統領は、「選挙結果に不満なPSDBが、TSEを政治利用している」と切り捨てている。
また、ジウマ大統領側は、選挙献金疑惑に関し、「政治献金ならPSDBも受け取っている」とし、受領者側にはそれらが違法な金かどうかを知る術はないとした。
PTへの献金者リストには、オデブレヒトやOASといった、ラヴァ・ジャット作戦に絡んだ企業の名が見られ、同事件を担当するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事も昨年10月以降、選挙高裁に「PTへの献金に違法性のある金が含まれている証拠が確認されている」との報告を行っている。
今回提出された釈明書の中では、同党への選挙献金を取りまとめていたPT元中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告らへの言及はない。
アエシオ氏側は、ジウマ氏が公共放送の機会を選挙キャンペーンに流用し、公共サービスや公務員を利用したりした権利濫用、連邦政府に都合が悪いデータの発表遅延、実績もなく、実態が疑われる印刷会社が献金元になっていたことなども選挙法違反だとしている。
だが、ジウマ大統領の弁護士はそれらに関しても「選挙時の会計報告はTSEに提出済みで、違法性は確認されなかった」と答えている。
これらのことを基に、ジウマ氏側の弁護士はTSEにPSDBからの訴訟取り消しを求めた。TSEでは昨年、同問題の審理を継続するか否かの投票で「継続」が過半数を超えたが、起訴内容の見直し請求が出たため、投票が止まっている。ジウマ氏の選挙会計報告の審理で報告官を務めたのはジウマール・メンデス副長官だが、「ラヴァ・ジャットの疑惑は報告を行った後に大きく噴出しはじめた」としている。
ジウマ大統領側の釈明内容は、先週提出されたミシェル・テメル副大統領のものと同じ基調で、PSDBのカルロス・サンパイオ副党首は「ルーラ氏やジウマ氏の時代にペトロブラスの汚職計画が進行し、企業家の報奨付証言も多数出ているのに、我々がTSEを利用していると稚拙な批判をするとは」と反論した。
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