パラリンピック開幕まで残り200日となったが、リオ・パラリンピックのチケット販売が不振に喘いでいると19日付フォーリャ紙が報じた。
組織委は前回ロンドン大会で記録した、全種目ほぼ満員、220万人の有料入場記録の更新を目論んでいたが、現在までの販売枚数は、330万枚の販売目標の10%にしか達していない。
ブラジルパラリンピック組織委員会(CPB)委員長のアンドリュー・パーソンズ氏は、「販促キャンペーンは五輪にだけ偏りすぎている。パラリンピックも大切なイベントで、ちゃんとした開会式も閉会式もあるが、その事さえ周知されていない」と語る。
五輪組織委は、販売ペースが期待を下回っている事を認めたが、「ブラジル人はあまり先の予定を立てず、チケットを買うとしたらギリギリ」と切実感に欠ける見方も示している。
サンパウロ州身障者担当局長のリナマラ・リッゾ・バッチステーラ氏は、ブラジルでは多様性への理解がまだ進んでいない現状を指摘し、「チケット販売に苦戦している背景には、経済的な問題以上に文化的な問題がある。ブラジルの文化レベルは障がい者のスポーツを応援したり観戦したりするレベルまで高まっていない。パラリンピックのプロモーションはブラジル社会を変えていく最良のチャンスだ」と語った。
CPBは今後の販売計画として、「パラリンピックはチケット代が安価だから、家族みんなで観戦するのにもってこいのイベントだ」とPRしていく予定だ。満員になったロンドンではそれを開幕2年前から行い、パラリンピックを通じて、障がいの克服、多様性の尊重、多様な人々の社会参加といった価値観を広めていた。
CPBは、パラリンピック会場は障がいを持つ選手にも観客にも優しいつくりになっていると強調した。リオ市役所も、障がいを持つ人の移動を容易にしたりするための工夫を市内各所に施しているとアナウンスしている。
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