フランシスコ法王が18日、メキシコ訪問からの帰りの機中で、ジカ熱感染に伴う小頭症の予防として避妊を容認する発言を行った。19日付伯字紙が報じている。
小頭症児増加の原因ともされるジカ熱はラ米諸国で蔓延しており、国連関係者の中からも、「ジカ熱感染で胎児が小頭症となった場合は中絶も」との発言が起きた。
法王は「中絶とは、誰かを助けるために誰かを殺す行為で犯罪だ」と強く反対する姿勢を示したが、避妊に関しては「妊娠そのものを避けることは、中絶ほど悪いことではない」と釈明。1960年代に独裁政権下や戦争が相次ぐアフリカで活動する修道女たちへの強姦対策として避妊を容認したパウロ6世(1963~78年)の例を挙げて、「特別な事情があるとき」は避妊を容認する発言を行った。
カトリック教会では避妊は「愛を否定する行為」と見なされており、パウロ6世の解釈を否定した歴代法王も少なからずいた。